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2004.01.27

大竹昭子『眼の狩人』(ちくま文庫)

「戦後写真家たちが描いた軌跡」という副題を持つこの本は、まさに日本を代表する写真家がいったい何者であるのかについて描こうとするものである。非常に読み応えのあるノンフィクションである。登場する写真家は次の14人。東松照明・長野重一・森山大道・中平卓馬・比嘉康雄・奈良原一高・高梨豊・柳沢信・渡辺眸・藤原新也・深瀬昌久・荒木経惟・桑原甲子雄・篠山紀信。いずれ劣らぬ高峰で、まさに戦後日本写真史を見るかのようなラインナップである。著者の大竹昭子は写真が専門ではなく、ために関心は写真そのものより、なぜ彼らが写真を選択し、それで何を表現しようとしたのか、さらに人間としてどう生きようとしたのかという、普通の写真本では到底うかがえないような切り口で迫っていく。そこがおもしろいのだ。

私は写真を撮ることが好きである。しかし、無反省にシャッターを切るだけではどこにも行けないことを思い知らされる(もちろんそういう楽しみを否定するものではない)。被写体に対峙しシャッターを切るまでに、どれだけの時間を思考することに捧げたのか。一流の人々は自らの行為に対して、おそろしいほど自覚的反省的である。けだし、プロとはそういうものであろう。写真に興味がなくても、ある特定の職業に就く人々の心理を解き明かすドキュメンタリーとして興味深く読むことができると思う。

#カバー写真は森山大道のもの。かなり怖い(笑)。

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