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2004.02.01

シービスケット

大恐慌時代のアメリカに多くの人々が夢を託したサラブレッドがいたという。その名はシービスケット。必ずしも日本での知名度は高くないと思うのだが、この馬を巡るドキュメンタリーが全米で400万部を超えるベストセラーになっているらしい。そしてその日本語版も売れているそうである。映画を見終えて読んでみたいと思わせられた。映画「シービスケット」は基本的にこのドキュメンタリーに書かれたエピソードを映像化している。

物語は、一言で言えば、どん底の者どもの復活劇を描く。不況のため一家離散の憂き目にあったジョニー・レッド・ポラード(トビー・マグワイア)。西海岸の自動車ビジネスで大きな成功を収めながら、最愛の一人息子を自動車事故で亡くし、ほどなく妻にも去られたチャールズ・ハワード(ジェフ・ブリッジス)。自動車産業の隆盛により職を失ったカウボーイ、トム・スミス(クリス・クーパー)。この3人がシービスケットと名づけられる馬によって結びつけられ、やがてこの馬とともに歩むことで生きる喜びを取り戻していく。鍵を握るシービスケットもまた飼い主や調教師から見放された問題児であった。この三人の男と一頭の馬が勝利と敗北と挫折を繰り返しながら、見事に全米ナンバー1の頂きへ駆け上がっていく。まさにアメリカン・ドリームである。

ストレートな感動を売りにするこの作品はハリウッドらしいわかりやすさと結末を持っている。いつもはこの手の映画は避けているのであるが、2時間半もの間、飽きずに見通せたのは、つまらないドラマ(特に恋愛や家族愛など)をいっさい紛れ込まさず、ただひたすら男達の行為と思いを全面的に描いているからである。それに尽きる。そして彼らの思いや行為の具現したものとしてシービスケットの勝利がある。このシンプルな味わいが意外なほど心地よかったのである。旧来の価値観にしがみつく保守支配階層の代表であるウォーアドミラルと、不況のどん底にあえぐ一般市民が熱狂的に応援するシービスケットのマッチレースは、そのまま当時のアメリカの状況を映すものである。我々観客はシービスケットに強く感情移入し叫ぶ。「ゴー、レッド! ゴー、シービスケット!」。たまにはいいものである。

なお競馬のシーンの迫力は特筆すべきであろう。これだけはビデオでは味わえない。ワーナーマイカルシネマズ・茨木で鑑賞。

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コメント

>suguluさん
楽しめました。べたつかない展開で盛り上がるので、変な感傷などに振り回されることがなかったです。お時間があればぜひ御覧になってみて下さい。ハルウララには武豊が乗るそうですね。いよいよ勝ちそうだ。
>atcyさん
あの中で迷ったのでしょうか。隅の方でちんまりした店ではありますが。確かに自慢にはなりませんね(笑)。しかし、また、えらい遠いところまでいらっしゃったんですね。

投稿: morio0101 | 2004.02.02 08:25

自慢じゃないですが、茨木のVIVREだかSATYだかで、イケショップを探しに行って迷子になったのは私です。

投稿: atcy | 2004.02.01 21:20

とても気になる映画でした。
morioさんの紹介でよけいに見てみたくなりました。

>>つまらないドラマ(特に恋愛や家族愛など)をいっさい紛れ込まさず

米国映画でこれらを盛り込まないのは珍しいですね。
日本で庶民が感情移入しているのは、ハルウララでしょうかw

投稿: sugulu | 2004.02.01 09:16

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