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2004.02.29

さよなら、クロ

子供の頃から動物が大好きだったわけではない。せいぜい金魚やグッピーなどを飼っただけで(それも世話は両親がしていた)、犬や猫とは無縁であった。3年ほど前から飼い始めたアメリカン・ショートヘアの雌猫が、私にとっての初めてのペットらしいペットである。

子供を産ませる気がないなら、避妊手術をした方が猫の体のためによいと聞き、生後10か月くらいで受けさせた。病院に二日ほど預けるのであるが、病院からの帰り道、自分が猫に対してとても酷いことをしているような気がして、不覚にも涙が止まらなくなった。私に噛みついたり引っ掻いたり飛びかかってきたりと、やんちゃなことばかりする猫なのだが、もはや家族同然の存在になっていることを思い知らされた。よもや自分がこういう感情を抱くようになるとは思ってもいなかっただけに、そのことに驚きもした。

この映画はそうした動物に感情移入度の高い人には危険な映画である。危険というのはハンカチやティッシュが幾枚も必要という意味で。私は物語冒頭のクロがやむにやまれぬ事情で捨てられるところから、涙腺が全開で困った(笑)。原作は長野県のある進学高校に住みついた野良犬が、12年間の生涯をそこで過ごしたことを描く。実話として有名なものらしく、「職員会議に出た犬」としてよく知られている(らしい)。

映画ではこのクロに関わった高校生たちの生活が軸となる。「さよなら、クロ」だから犬がクローズアップされるかと思いきや、物語自体は高校生の恋愛や友情がドラマチックに描かれているのである。それはまぁよい。ただそのドラマに深みがない。取り上げられるいくつかの山場が、どれもちょっとしたエピソードのような扱いになっているのが惜しいと思う。しかしながら、そうした物語としての傷も、クロが関わることで動物好きにはすべて帳消しである(笑)。クライマックスとなるクロの病気から死、そして葬儀の描写は、強烈な印象を残す。とはいえ、動物嫌いな人、べたなお涙頂戴物が嫌いな人にはあまり薦められない映画である(なんというまとめ方だ)。

結末は安物のテレビドラマのようなハッピーエンドになるけれども、クロの名演技に免じてそれもよしとしておこうと思う。そうそう、伊藤歩と三輪明日美がキュートであったことも言い添えておく。主演の妻夫木聡と伊藤歩は、3月公開の「きょうのできごと」でも共演している。田中麗奈は伊藤歩と池脇千鶴の存在感にやられるのではないかと、ちょっと心配。いや、私が心配してどうにかなるものではないのだけれど。

「さよなら、クロ」公式サイト

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コメント

見たくないけど見たいというお気持ち、お察しいたします。レンタルで出てるので、どうぞぞんぶんにお楽しみくださいませ。

投稿: morio0101 | 2004.02.29 18:56

個人的な事情でこの映画を見たいのですけれど、もうレンタルビデオなどが出ているのでしょうか? 本当は見たくないんだけど、見ないとなぁ。(笑)

投稿: atcy | 2004.02.29 18:13

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