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2004.02.29

朝のリレー

去年見た中でとりわけ印象に残っているネスカフェのCM。谷川俊太郎の詩「朝のリレー」を使ったものである。詩の朗読とともに流れるピアノ曲もたいへん印象的である。こちらは息子である谷川賢作の「天使の涙」という曲であった。透明感にあふれていて静謐な世界。あの美しい空の数々、カメラに収めることができたらすばらしいだろうなと、見るたびに思ってしまう。

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カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
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テレビで流れた日本語バージョンはネスカフェの公式サイトでも見ることができる。スクリーンセーバーもある。私は映画館で見た英語バージョンもとても好きなのだが、残念ながらサイトには置いていない。

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ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
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谷川俊太郎の熱心な読者ではないけれど、書架には幾冊かの谷川の詩集が並んでいる。でもこの「朝のリレー」が収められているものは持っていなかった。たまたま書店で見つけた「谷川俊太郎詩集」(ハルキ文庫、引用は同書に依った)に入っていたので、迷わずそれを買ってきた。四年に一度の閏年の記念(?)にでもしようと思う。

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コメント

皆さん、コメントありがとうございます。

小説家以上に注目度の低い日本の詩人にあって、谷川俊太郎の人気だけは別格のようです。他の詩人はやることがなくなって、抽象的な小難しい詩ばかりをつくるから、読者が離れていくのかなどと思ってしまいます。

普段は日本以外の時間のことなどまるで考えたことのない「非国際派」の私ですが、このCMや詩ではそのことを強く意識させてくれました。「思いを馳せる」という行為は心の面積を大きくしてくれるようで、とても素敵なことだと思います。CMは新しい寝顔編もいいのですが、やはり最初の空編の美しさが抜群ではないでしょうか。

投稿: morio0101 | 2004.03.02 12:32

「ららら、科学の子!」も谷川さんじゃなかったかな(矢作の小説じゃなくてオリジナルの方)。十万馬力の歌からの谷川ファンです。
いぜんHPを作っていた時、自分の写真を見せるのにFlashを使ったことがあり好評でした。その時のことを思い出しました。Flashっていいかも。

投稿: atcy | 2004.03.02 09:49

このCM、なんかFOTOLOGな感じがしました…

>>Yukiさん
そっかー、じゃぁ私が仕事終わる頃,Yukiさんはあくびをしながらバスを待ってるんだなぁ…と思いながら,今日はどこで飲もうかと考える事にします…。

投稿: weblog244 | 2004.03.02 00:41

素敵な詩ですね。私が朝バスに乗ろうとする頃、日本では仕事が終わったりする時間
な〜んて時々考えながら生きております :)

投稿: yuki | 2004.03.01 19:19

朝のリレーですか。僕はバトンを繋ぐので精一杯です。

投稿: Kudar! | 2004.03.01 04:11

私の持っている詩集にもありませんでした。このCMを見る機会は少ないですが、とても好きです。
一時期、作家さんが書いた文章を流すのが多かった(流行っていたと言うほどでもなく)ですが、本や雑誌とは違い最初から「誰の言葉なのか」判らずに、先入観なしで見聞きできるので好きです。もしかしてこの人の本は面白いのかもしれない! と思ったりします。もちろん、逆もありますが。
(だから流行らないのかも...笑)

投稿: mi4ko | 2004.02.29 23:56

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中也「朝の詩」を引いたら、morio0101さんの「朝のリレー」に行き会いました。 [続きを読む]

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