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2004.03.21

ピンホール写真と私

Fotologでいつも素敵なピンホール写真を見せてくれるしきはんさんが、「アサヒカメラ」のコンテストで入選を繰り返していらっしゃる。ついに来月号分(2004年5月号)では特選をお取りになったそうだ。すばらしいの一言である。このことについてはご自身のサイトの日記コーナー(あとは掲示板でも)で書いていらっしゃるから問題なかろうと思い、紹介する次第である。コンテストに応募する意味やその先の夢のことにも少し触れていらっしゃる。ついて見られたい。

私がピンホールカメラで写真を撮るようになったのは、ここにもよくコメントをつけてくださるatcyさんの影響による。昨秋からニコマートに自作ピンホールを取り付けたカメラでさまざまな町の表情を切り取って、世界中の多くの人々を楽しませていらっしゃった。atcyさんの向き合う光景の魅力と同時に、それを掬い取る方法やセンスにすっかり魅せられた。視神経や記憶に直結しているようなピンホール写真がおもしろそうに思えたので、ちょうど彩都メディア図書館で開かれたピンホール写真講座を受講して、その後立て続けに2台のピンホールカメラを手に入れた。同じ頃、しきはんさんのサイトに行き当たり、まったく違うピンホール写真の表現を知った。そこにはちょっと現実離れした高度に抽象化された世界が広がっていた。あたかも針穴によって夾雑物がふるい落とされたかのような写真である。お二人のピンホール写真は幾度見ても尽きることのない深い魅力を湛えている。

転じて自分のものはどうか。まだ「ピンホールで撮ってみました」という域から出ていない。方法やテーマについて考えを深め、「ピンホールで撮った写真」から「ピンホールである必然性を持つ写真」というのを、いつか撮ってみたいと思う。ということで、Fotologには出していない「ピンホールで撮ってみました」という写真を2枚、ご披露。

umeda1
【横断歩道を行く人々】
umeda2
【ストリートライブに聴き入る人々】

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コメント

>kabunさん
今は中国カメラに夢中でしょうか。針穴の写真も楽しみにしてます。
>miuさん
一瞬で切れるシャッターから得られる写真とは対象の捉え方が違ってきますね。濃淡やブレとなって現れる対象の背景や意識が透けて見えるようで、とてもおもしろいです。
>しきはんさん
ストリートライブの写真を読み解いてくださってありがとうございます。エントリには何も説明をつけなかったのですが、ここに見える人影の濃淡には、音楽への関心の差が映し出されています。聴きたい人は濃く、聞きたくない人は薄く……。本来目に見えないはずの人の意識が、写真として定位されるおもしろさがあると思いました。
>し〜やもんさん
写真クラブのこと、ずいぶんお悩みですね。楽しいはずの趣味なのにお気の毒です。私なら適当に理由をつけて辞めます。互いに相手を尊重しあえない組織にいたくないからです。他にも思うことはあるのですが、それはまた別の機会に。来月号、楽しみに待ちます。
>atcyさん
普通のカメラでは人をまともに撮りきることができないので、ピンホールで姑息に狙おうとしているのかもしれません。潜在意識の顕在化とでも言えばかっこいいでしょうか(笑)。またニコマートも出動させてくださいませ。
>suguluさん
お褒めにあずかり光栄です。少しだけホトログにアップされていたモノクロ針穴、やはりsuguluさんの味が出ているなと思われました。次はたくる君の動くところをぜひ針穴で(笑)。

投稿: morio0101 | 2004.03.23 00:46

morioさん atcyさん はじめみなさんのピンホール写真の素晴らしさにいつも心を動かされます。
「ピンホールで撮ってみました」なんて仰いますが、atcyさんと同意見で、ヒトをテーマに撮影されていること、そしてその写真にとても惹かれます。
自分も雪が溶けたらもう少し、大ピンを使ってみようかと思います。

投稿: sugulu | 2004.03.23 00:07

拙ピンホール写真を取り上げて下さって有り難うございます。
ワタシがピンホールに目覚めたのはfotologのsquaremealさんとdaisyjerrybeanさんの作品を拝見してからです。ピンホールというのは、針穴で風景を撮影するものだとばかり思っていた私の先入観を、この2人は見事にぶち壊してくれました。それらに影響されて自分なりに考えて撮ったのが一連のピンホール作品群です。
そしてワタシがピンホールを打ち切ったのは、2〜3ヶ月、ピンホールばかりを投稿していて、「ピンホールの人」というレッテルを貼られかかっているように思ったからでした。
morioさんはGRなどでは人のいない風景を主に撮影されているように思うのですが、ピンホールだと俄然、人、人、人と、ぐいぐい人にフォーカスをあてていくところがとても興味深く思います。こうしてピンホールで群衆を撮るという試みは大変面白いですね。もっと見せて下さいね。

投稿: atcy | 2004.03.22 23:00

素敵な写真を見せていただき、刺激になりました。
最近、クラブのことで疲れきっていて
写真を楽しむとか、写真を撮りたい!って強い気持ちから
少し遠いところにいた私。
そんな私にはグッドタイミングな記事でした。

ところで、このことは私のココログで詳細を秘密にしていますが、
同じくアサヒカメラの5月号に、
ファーストステップ部門の選外のワンポイントアドバイスで
私の写真が掲載されます。
入賞されているみなさまとは比べ物にならないけれど、
まだ写真を始めて2年経ってないうえ、
コンテストに応募したのはこの11月からという私にとって
本当に嬉しいことなのです。
しきはんさんの写真を見るついでに、よかったら見てください。

投稿: し~やもん | 2004.03.22 20:12

そんな風に言われてしまうと、照れますなぁ。
おもしろさが伝わっていれば幸いです。
針穴である必要性は私もいつも考えます。
味とルーズなボケは紙一重なので
そこに自分の心証表現がどこまで込められるか?
どこまで伝えられるか?が
針穴のよさですよね、きっと。

ストリートライブを聞いてるの、いいですね。
通り過ぎる人と立ち止まる人。
そのさは音楽。
そういうのがわかって好きです。

投稿: しきはん | 2004.03.22 00:38

横断歩道、いいっすね。
ピンホールもワタシのような芸のないものが
漠然ととるとただのピンぼけのようなつまらないものになってしまいますが、こういう表現もできるんですね、勉強になります。

投稿: miu | 2004.03.21 22:36

春なのでそろそろピンホール撮ろうとおもっていた
矢先。。。。
ナイスタイミングです。
横断歩道いいですね。
ピンホールって、真昼の長時間露光。
ぼけた世界以上にそこが楽しい。。。

投稿: kabun | 2004.03.21 08:02

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