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2004.03.20

『もうひとつの、きょうのできごと』(河出書房新社)

千里中央に行った。ここは御堂筋線の始発駅で豊中・吹田・箕面・茨木と直結している。いわば千里丘陵一帯の起点ともなる場所である。とはいえ、少し前まではセルシーやダイエーを中心にする、少し時代遅れのうら寂れた商業ゾーンであった。それがここ数年、あか抜けた店や若者向けの店が次々とオープンし、瞬く間に活気のある町に変貌してきた。昨年ついにスターバックスも進出し、これで名実ともにメジャー入り(笑)である。

大きなショッピング街には書店の存在が欠かせない。千里中央には北摂一帯で大きな勢力を誇る田村書店がある。せんちゅうパルに一軒、そしてセルシーの1階と4階に一軒ずつと計3店舗あったのだが、つい先日、セルシー1階以外の2店舗が1店舗に統合され、せんちゅうパル3・4階の2フロアに北摂一の広さを誇る店舗としてリニューアルオープンした。キタやミナミにある旭屋・紀伊国屋・ジュンク堂の品揃えには比べられないものの、近所の書店にはないような本も置いてあって、なかなかよいと思った。文庫や新書、選書あたりが特に充実している。

その田村書店で買ってきたのが、本日発売の『もうひとつの、きょうのできごと』(河出書房新社)である。いよいよ公開が明日に迫った映画「きょうのできごと」関連の写真集である。野口里佳、森山大道、野村佐紀子、吉永マサユキの撮り下ろし写真と、それに連動する柴崎友香の短編が組み合わされる。映画の原作となった小説の持つエッセンスがそのまま凝縮されたような内容で、期待に違わぬものであった。個人的には敬愛する森山大道の新作が拝めるだけでも満足である。

それにしても、柴崎友香の描く世界の空気感は親密で、体によく馴染んでくる。賞を獲ることがすべてではないし、獲ったとしてもそれはあくまでも作家個人のものであることは承知しているけれど(さらに可能性があるかどうかもこの際問題にしない)、かくなる上は、柴崎から遙か年長の高校同窓生の名を冠する、日本大衆小説最高の文学賞を獲得し、「きょうのできごと」にも描き込んだ母校の名を大いに広めてほしいと、やはり彼女の同窓の一人としてひそかに願う。

一緒に買ってきた本。赤瀬川原平・山下裕二『日本美術応援団』(ちくま文庫)、辻原登『遊動亭円木』(文春文庫)。感想は読後に。

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コメント

今もせんちゅうパルあたりはシャッターが閉まったままのところが多くて、まだ「廃れ感」が残っているのは否めないものの、数年前に比べると、ずいぶん活気が出てきたように見えます。人がたくさん集まるところだから、もっていきようでどうにでもなると、今後の展開に期待してます。

投稿: morio0101 | 2004.03.21 20:16

千里には叔父が住んでいて、夏休み・春休みにご厄介にもなったので、とっても懐かしい気持ちになりました。寂れてたんですか? 復活、うれしいです。千里レポートをこれからも期待しちゃいます!!

投稿: ishiguro | 2004.03.20 12:56

morio賞かぁ、いいかも(笑)。でも賞金は出せないです。:-P
直木賞です。芥川賞は純文学の新人賞だと認識していますが、直木賞も新人対象なのでしょうか。江國や京極にやっとお鉢が回ってきたことを思えば、これからの活躍次第で獲れるかもと思いたいわけです。

投稿: morio0101 | 2004.03.20 12:20

回りくどくお書きですが「柴崎から遙か年長の高校同窓生の名を冠する、日本大衆小説最高の文学賞」って何賞ですか? 直木賞かなあ? 大阪出身だし。でもあれは一応、新人賞だと思うけど・・・ まさかmorio賞?

投稿: Wind Calm | 2004.03.20 11:06

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