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2004.05.20

長島有里枝『PASTIME PARADISE』(マドラ出版)

長島有里枝のデンシコソダテツウシンというサイトを見つけた。長島有里枝とはあの写真家の長島有里枝である。2年前に長男を出産した彼女が日々のことを記すという「電子子育て通信」が中心で、他に「流行通信」に書いていた「妊娠ダイアリー」と「子育て通信」のバックナンバー、読書日記の「キバラシドクホン」、近況報告「電子かわら版」などがある。けっこうまめに更新を続けている。しかも読んでいておもしろい。子育てはハプニングの連続であるが、長島有里枝とて例外ではない。夫はアメリカに留学中で、今は母一人息子一人の生活である。次々に目の前に現れる日常の事件や出来事はまったく他人事ではなかった。

なんだかとても身近に感じました、長島有里枝。

実はどんな写真を撮っているのか、よく知らないまま、昨日、長島有里枝の写真集を買ってきたのである。第26回木村伊兵衛賞を受賞した『PASTIME PARADISE』。いきなり飛び出す家族や自分のポートレート、しかもヌード。顔中穴だらけの長島有里枝。友人たちの肖像写真も見ていて痛々しいものが多い。渡米中の写真は一転して穏やかな空気と時間が感じられる。そして一冊を通じて「撮るという勢い」をひたすら感じた。大量と言うほかない写真群は見応えたっぷりである。

毎日の生活や子育てに奔走する彼女の姿と、この写真集から感じられる作家としての彼女のイメージは、にわかに結びつけがたい。しかし、息子を予防接種に連れて行って医者の対応に憤るような生活をしながら、一方で作品を撮り続ける彼女に大いなる共感を感じたことだけは確かである。

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コメント

今はどんな仕事を主にしているのかよく知らないのですが、彼女のHPを読むかぎり、ずいぶんと生活のために写真を撮っているという印象は受けました。

>大量生産された女の子フォトグラファーは、大量消費されていくだけなのか

澤田知子はどう消費されるでしょうか。:D

投稿: morio0101 | 2004.05.23 19:02

この写真集、何故か私も持っています(笑)。
こうして世に出てきた時は勢いがあったんだけれど、広告の写真なんかに手を染めるようになると、基礎的な技術が追いつかなくなって、当たり前の写真ばかり撮るようになり、最近はどうもつまんないですね。一時期大量生産された女の子フォトグラファーは、大量消費されていくだけなのかと思うと、少し哀しくなります。

投稿: atcy | 2004.05.20 23:04

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