« 『長田弘詩集』(ハルキ文庫) | トップページ | 世界の終わりという名の雑貨店 »

2004.06.15

澤田知子展 ID400

澤田知子展第29回木村伊兵衛写真賞の話題をエントリーとして立てたのは3月4日のこと。それ以降の澤田知子の各種メディアへの露出はすさまじいものがある。さすが写真界の芥川賞である。そして今回の受賞の集大成として写真集『ID400』(青幻舎)が5月のゴールデンウィークに刊行された。なにゆえにそこまで持ち上げられるのかの分析は専門家に任せるとして、一度、全貌を見てみたいと興味は持っていた。

折しも澤田をデビュー時からサポートし続けてきたThe Third Gallery Ayaが、淀屋橋から江戸堀に移転することになった。その新しいギャラリーのオープン記念展として澤田知子展が企画された。さっそく仕事帰りに立ち寄った。ほどよくくたびれた感じがよい雰囲気を醸し出している若狭ビルの2階に、新しいThe Third Gallery Ayaはある。中に入ると、真っ白に塗られた壁一面に「澤田知子」の顔、顔、顔!! 壁中が「澤田知子」である。正面に丸坊主の澤田知子の大パネルが4枚、左右の壁に『ID400』の全作品が額に入って並んでいる。すごい迫力。ちょうどディレクターの綾智佳さんがいらっしゃったので、ひとしきり話を聞いた。となりの事務所では澤田知子が取材を受けている最中……。

すべての作品を見ての感想は、得体の知れない力は感じるけれど、それは圧倒的な量によってもたらされるものであって、決して写真そのものに心を動かされてのことではないということである。澤田の言う「内面と外見の関係」というのも今ひとつよくわからない。もともとが自身の容姿へのコンプレックスが出発点であったらしいが、こうした変装によって現代社会の何を暴き立てたいのか。「人は何にでもなれる」「人は外見で判断してはいけない」「外見重視の皮相な現代文化への風刺」などというつまらない結論が飛び出さないことを祈る。そのあたりの理論武装はどうなっているのか、おおいに気になるところである。

90年代後半を席巻した若手女性写真家たち。HIROMIX、長島有里枝、蜷川実花、川内倫子、野口里佳……。彼女たちとともに澤田知子は日本の写真史の中にどのような位置を占めることになるのだろうか。

澤田知子展 ID400
The Third Gallery Aya
大阪市西区江戸堀1-8-2 若狭ビル2F
2004.6.14〜7.8
12:00〜19:00(土17:00) 日・月休

|

« 『長田弘詩集』(ハルキ文庫) | トップページ | 世界の終わりという名の雑貨店 »

コメント

ko-shiさん、こんにちは。最寄り駅は地下鉄四つ橋線の肥後橋です。このエントリーの中に出てくる「The Third Gallery Aya」をクリックして、ギャラリーのサイトの「Infomation」に入ると地図が出ます。展覧会は8日までなので、どうぞ急いでいらっしゃってください。

投稿: morio | 2004.07.06 23:01

わぁ
写真展がやってたんですね!!!
前に新聞に写真集の記事が載ってて気になってたんです♪
そしたら今日TVで展覧会が有ると言う事をやってて知りました
もしよければ展覧会場の最寄り駅教えて下さい・・・

投稿: ko-shi | 2004.07.06 19:24

全く同じといえど、ID400が売っていないのです。札幌でも(1件しかみていないけれど)無かったのです。恐いもの見たさ、夏の風物詩肝試しが出来ません。
実は上の文章の後に何かしら書いていたのですが、長いだけで結論の出てない文章になったので削除してました。わたくしも泣きながら名文を読んですっきりしたいです(笑)
業務連絡 > 動物園のmovieは月末の第二弾の放送をプラスしてお届けする予定です。しばしお待ちあれ。

投稿: mi4ko | 2004.06.18 00:40

札幌での展覧会はないようです。ぜひこれだけを見るために大阪へ来て下さい。無料ですよ!

中身は写真集とまったく同じなんですけどね……。

投稿: morio | 2004.06.17 23:44

行ってこられましたか。お疲れさまです。お疲れさま、としか言いようがないワタシを許してください(笑)

投稿: mi4ko | 2004.06.16 00:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11234/775965

この記事へのトラックバック一覧です: 澤田知子展 ID400:

« 『長田弘詩集』(ハルキ文庫) | トップページ | 世界の終わりという名の雑貨店 »