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2004.06.03

赤瀬川原平・山下裕二『日本美術応援団』(ちくま文庫)

正統派超大作からポルノ映画まで、日本映画のあれやこれやを説得力のあることばで語るリリー・フランキーの「日本のみなさんさようなら」(情報センター出版局、現在は文春文庫PLUSにも入っている)は大好きな一冊で、時折書架から取り出しては眺めている。曰く、日本人は舶来のありがたいものを高く評価し、身近でなんということもない(と思い込んでいる)ものをちっとも見ようとしない、洋画ばかりを持ち上げてどうするのだ、ここはあまり顧みられることのない日本映画の表と裏をぞんぶんに味わうのだ……。異論なしである。しかもただ「日本映画、万歳!」というのではなく、是は是、否は否をはっきりと打ち出しており、その切り口がユニークで読んでいてちっとも飽きることがない。けだし名著というべきであろう。もったいつけた凡百の映画評論は悦楽と知見に満ちたこの本の敵ではない。

赤瀬川原平と山下裕二の『日本美術応援団』を読んだ印象も、まさに「日本のみなさんさようなら」と同じものであった。教養主義や美術史の伝統といった呪縛から解き放たれた自由な鑑賞眼と語りは、美術品とのつきあい方が本来「まずは快楽ありき」であることを教えてくれる。そして歴史的に見ないことに徹していると、退屈なはずの日本美術がアバンギャルドで刺激に満ちたとてつもないエンターテイメントに思えてくる。

「雪舟は長嶋茂雄だ」というところから始まって、読み進めるほどに目から大量の鱗がぽろぽろと落ちました。

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コメント

すべからくさん、いらっしゃいませ。

リリー・フランキーの他の本も好きで、なんだかすっかり毒気がなくなった泉麻人なんかより遙かにおもしろいと思っています。

全国的に映画館といえばシネコンという具合になってきてますが、儲かっているシネコンこそがミニシアター系の映画も引き受けてくれるといいんですけどね。

今後ともよろしくおねがいいたします。ちなみに生粋の大阪人です(笑)。

投稿: morio0101 | 2004.06.07 00:22

こんにちは。初めまして。
リリーさんの『日本のみなさん、さようなら』は、ぼくも大好きな名著です。
以前、トークショーに単行本持ってたら、かわいいウサギさんの絵を入れて、彼がサイン書いてくれました。

ちなみに、ぼくの生涯ベスト1は、是枝裕和の『幻の光』、下の方に投稿ありましたね。

田舎の方に越して1年経ちましたが、田舎の方は、邦画の新作(いわゆるミニシアター系)が見れなくて困ります。
近くの映画館といえば、ワーナーマイカルしかありません。

また遊びに来ます。

morio0101さんは、関西の方(ですよね?)なのに、webは関西人ぽくなく、すっきりしてていいですね。

投稿: すべからく | 2004.06.04 20:15

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