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2004.06.22

ピンホール写真を愛する −針穴友の会−

とあるところで興味深い話を聞いた。

写真家は最先端のテクノロジーを享受して新しい芸術を形成していった。

確かにそういう面はあると思う。たとえばライカの出現は、街中の至るところにカメラを持ち出す機会を生み出し、さらに高速で切れるシャッターは見えないはずの瞬間まで絵として固定してしまう。アンリ・カルティエ・ブレッソンの揺るぎない「決定的瞬間」は、このカメラの存在なくしてありえないのである。

ついでにいうならば、写真の出現により写実の世界を追われた美術界(絵画)が、革新的な手法で世界を描写する「印象派」を生んだことも興味深い。

現代においては、言うまでもなくデジタルカメラの存在を無視することができない。日進月歩の技術的改革を貪欲に吸収し、怪物的存在にまで急成長したデジタルカメラを抜きにして、もはや表現としての写真のありようを考えることはできないだろう。あわせて「明るい暗室」であるコンピュータのことも忘れてはならない。現代の「打ち出の小槌」は今やどんな映像でも生み出せるような錯覚さえ起こさせる。

しかしながら、一方でカメラの原形であるカメラ・オブスクラの流れを汲むピンホールカメラとその表現を愛する人々がいる。最先端のデジタルカメラとは対極にあるピンホールカメラ。コンピュータを飲み込んだ脅威の箱であるデジタルカメラに対し、ピンホールカメラは空っぽの箱に小さな穴がたった一つ空いているだけである。これを「ハイテク対ローテク」というわかりやすい二項対立の図式で比較することはしまい。両者は対立するものではなく、写真の表現手法として共存共栄すべきものだと考えるからである。そして今だからこそピンホールで撮影する写真の表現性や芸術性を考えることができるのではないかと思う。私は、「癒し」「スロー」「懐古趣味」といったお決まりの文句の呪縛からピンホールカメラを解き放ち、最先端のデジタルカメラに伍するデバイスとして捉えたいのである。そのうえで自分にできることを模索していきたいと思う。

赤い花 【激しい風に揺れる赤い花(これってハイビスカス?)】

ピンホール写真を愛する人々への開かれた場として、友人たちと針穴友の会を立ち上げました。興味のある方はぜひご参加下さい。

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コメント

>weblog244さん
馬鹿みたいに力が入りすぎてます。後で読むと気恥ずかしいばかりですが、まぁよしとしてください。
切手、ありがとうございます。とても気に入っているので、しばらくこのまま貼らせてもらいます。

>ゆきこん
小難しいことを言っているわりには何も考えていなかったりします。好きなカメラで好きに撮って楽しむ、一番大切なことでしょうね。

投稿: morio | 2004.06.26 02:18

わたしはただのあふぉなので、なんも考えずにデジカメもハリアナも楽しく使っております。
自動露出のカメラも便利ですし、フルマニュアルのカメラも楽しいです。
ハリアナカメラのサブにデジカメという組み合わせが、なぜか最近お気に入りです。うちのハリアナとデジは仲良しです。

ローテクとハイテクのどっちがいいとかいう議論は野暮ですね。ハイテクの恩恵に与っていることを否定もしないし、ローテクに癒しを求めてるわけでもないし。
どちらも楽しみたいという、要するに欲張りなのかな(^-^;)

投稿: ゆきこん | 2004.06.23 10:14

『宣言』しちゃいましたね…^^
針穴友の会に参加する人の数だけ、針穴の捉え方があるんですね。
自分にとっての「針穴表現」、早く見つけたいです…。

「切手」貼って下さって、ありがとうございます!m(. .)m
morioさんの映画評論が好きなので、映画のフィルムロールを
モチーフに作ってみました…。

投稿: weblog244 | 2004.06.22 23:36

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