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2004.07.04

永井豪『キューティーハニー』(中公文庫)

ハニー&ハニー映画公開に合わせて3刷が出ていた。当然、映画のことを宣伝する派手な帯付きである。こうして何十年ぶりかで原作に接したのであるが、ほとんど忘れている。情けないほどに。映画の方は原作の大枠だけを借りたまったく別の物語であることは理解していたけれど、ここまで違うとは。本当に原作を読んでいたのかすら、こうなってはもはや定かではない。まぁいいや。

もちろん変身シーンで全裸になる、戦闘シーンでは衣装が破れるというのはお約束。青臭い少年時代はそういうところにときめいていたのだろう。しかし、いろいろなものが枯れ果てつつある今になって読み返すと、そういう場面はたいしたことがなく、むしろ残虐にすぎる戦闘シーンの描写がたいへん気になる。ほとんどスプラッター。そのまま映像になったら、私は絶対に見ることができない種類のものである。

また、これは原作者の永井豪が映画のパンフレットの中で語ってもいることなのだが、物語の展開が実に場当たり的である。なんでも週刊での連載があまりに厳しすぎて、「綱渡り」でとにかく描いたという。確かに親友の秋夏子が生きながらにして目の前で焼き殺され(ああ残酷……)、「この身が夜叉に化そうとも、パンサークローをひとりのこらず滅ぼしてみせる!」と復讐に燃えたかと思うと、翌週はいきなり風呂場を覗かれ「きゃー!」である。なんじゃそれ。こうしたアバンギャルドな展開は庵野監督の映画版にはない。あちらはあくまでも娯楽作品としてきちんとまとめあげられていた。

とはいえ、そういうなんでもありなところが「キューティーハニー」という漫画の魅力であると、ひとまず結論らしい締めくくり方でこのエントリーを終えることにする。よろしいでしょうか(って、誰に聞いてるんだろう……)。

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コメント

>yoさん
噂には聞いています。一度、レンタルでもしてみま〜す。

投稿: morio | 2004.07.07 22:22

近頃のウルトラマンも仮面ライダーも(ライダーはクウガ、アギトまで)は実に良く出来てます。そこらへんの恋愛ドラマよりずっと深いし泣けるししっかりした物語です。暇な時観てみてね もりちん

投稿: yo | 2004.07.06 21:22

えげつないです。永井豪の他の作品もそうかもしれませんが、これは美少女ハニーとのギャップの差がありすぎて、その部分についてはちょっとなじめないです。

時間といえば、ウルトラマンも仮面ライダーも変身する時間が決まってました。「ああ、そろそろや」とだんだんテンションが上がってきて、「うぉ〜、がんばれ〜」と活躍を見守るのでありました。

投稿: morio | 2004.07.05 18:24

ハニーちゃんというと、あのシーンと、「空中元素固定装置」というなにやら怪しげで便利そうな発明品しか覚えてないなぁ。
そうかそんなに残忍だったんだ。
こどもながらに、「あ、今日もお約束のシーンだよ。まるで黄門様の由美かおるだね」と思ったもんです(ちょっと言い過ぎ)

投稿: miu | 2004.07.04 13:47

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