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2004.07.18

『関西の風景を歩く』(淡交社)

『風景を歩く』つまらない記事も多くて、好きなのか嫌いなのか、よくわからない朝日新聞であるが、土曜日夕刊(大阪本社発行)の連載コラム「風景を歩く」は大好きである。2003年4月から続いていて、2004年7月17日付の「東灘」で58回目を数える。この度、その連載が一冊の本としてまとまった。当初はせっせと切り抜きを集めていたけれど、やがて一回、二回と取り損ねていくうちにうやむやになってしまった。ありがちな話である。だからこの出版はとても嬉しい。

〇三年四月に始まった連載は、よくある名所案内や観光ガイドとは少し違います。著名な観光地も出てはきますが、描こうとしているのは、そのまちで暮らす人たちの心意気や、そこに根付いた精神とともにある「風景」です。

あとがきから引用した。ここにあるとおり、このコラムはとても人間くさい内容である。市井の人の語る関西の街が心から愛おしく感じられる。観光ガイドとしてはあまり役には立たないけれど、観光ガイドにはない街の姿は確かに描かれていると思う。「風景」はまさに人と時間が造り上げたものであることを再認識させられる。また添えられている写真はどれも街の空気感をよく伝えていて、それを見ているだけで充たされた気持ちになれる。小さな幸せを感じ、とても心が軽くなる一冊である。

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コメント

>winter-cosmosさん
コメント、ありがとうございます。この本(と連載記事)は、そこらへんのガイドブックにない話を読むことができるので、今も毎週楽しみにしています。あの暗峠の自転車軍団は、元F1レーサーの片山右京なんですよね。私も同じく自転車でいつかはと思っているのですが、壁のような坂道に恐れおののき、未だに果たしておりません。

今後ともよろしくお願いいたします。またそちらのブログにも遊びに行かせていただきます。

投稿: morio | 2004.11.25 01:03

 初めまして、ずいぶん前の記事で恐縮します。私がブログに興味を持つきっかけになったのがこの記事からです。
 この本に掲載されている街に今暮らしています。おっしゃるとおり、新聞掲載記事の中には、この街に暮らす人の心意気が感じられる内容のコメントがありました。

 このシリーズで一番反響が大きかったのは暗峠の記事みたいですね。私も数日後、新聞を片手に暗峠を越えた一人です(笑)。

投稿: winter-cosmos | 2004.11.24 18:56

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