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2004.07.27

蜷川実花の写真展

蜷川実花と本大阪で開催中の蜷川実花の写真展「over the rainbow」に行ってきた。HEP FIVEの8階にあるHEP HALLで開かれている。1階からエスカレーターで8階まで導かれるのであるが、次第に回りは若い女性だけになっていく。男は皆どこへ行ったのだ。結局、会場内にいた30名くらいの人のうち、男性は私と若いお母さんが連れていた男児(推定4歳)のわずかに二人だけであった。落ち着かないこと、この上なし! 先般の澤田知子の展覧会とは客層が(ついでに言えば集客力も)かなり違う。

蜷川実花の写真は特に好きでも嫌いでもない。しかし、あの他の誰とも違う強烈で独特な色遣いだけは強く印象に残っている。なんでもあの発色はデジタル処理ではないらしい。そしてその色が会場内のいたるところで炸裂していた。被写体は有名な歌手、俳優、モデルらで、大半は女性である。ところが、意外なまでに彼女たちの存在感は希薄である。一般的に有名な芸能人を撮影したポートレイトは「某の肖像写真」という面でしか捉えられないのに(つまり被写体の価値=写真の価値になる)、蜷川実花のポートレイト写真はすべてninamikaブランドで統一され、被写体の個性が完璧に封印されているのである。これはすごいと思った。ある意味、蜷川実花にポートレイトを撮らせることは、自身の存在感を試される試験のようなものになってしまうだろう。したがって彼女の写真の中で存在を主張できる人は、よほど強いオーラを発していると考えられる。たとえば草間彌生……(あの写真、ほしい、あと麻生久美子と田中麗奈のも)。

木村伊兵衛写真賞を取った『Pink Rose Suite』(エディシオン・トレヴィル)を買い求め、ついでに紀伊國屋書店で『フォトグラファーの仕事』(平凡社)も手に入れる。この本は、佐内正史・長島有里枝・蜷川実花・野口里佳・藤代冥砂の5人の写真家にインタビューを行い、写真とはどういうものか、写真家とはどういう職業であるのかなどを、各自の仕事を語らせることで浮き彫りにしようとしている。普段、表に出ないことを知ることのできる興味深い本である。

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コメント

>yoさん
確かにあの独特の色彩感覚とセンスは他には見当たりませんね。近頃は商売っ気が強すぎるような感じを受けるのですが、本来持っている写真家としての才能を浪費しないように、活躍し続けてほしいものです。

>タエさん
気疲れしました(笑)。まるで女性専用車両に間違えて入り込んだかのような感じ。たぶんそんなことは思っていないのでしょうが、「なんでニナミカの写真展に男がいるのよ!」なんて思われてるのではないかと考え始めると、ますます行動が怪しくなりました。
ダメですよ、若い男の写真ばかり見ていたら(笑)。

投稿: morio | 2004.07.30 02:31

お疲れさまでした(笑)麻生久美子ありましたっけ…
永瀬くんと鼓童くんは良く覚えているのですが(笑)

投稿: tearoom | 2004.07.29 17:05

色がドカドカ来る感じの彼女の写真
嫌いではありません。
あの色達を見つける眼。
そしてドカドカを貫いてるトコが素敵だと思うのです。

投稿: yo | 2004.07.29 00:11

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» ninagawa mika exhibition [Blog-tea]
photographer 蜷川実花さんの写真展『mika over the rainbow』を見てきた。今日から始まったというこの写真展を知ったのは、morio... [続きを読む]

受信: 2004.07.29 17:03

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