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2004.07.29

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

これも観ようと思いながらそのままになっていた映画。

ヴィム・ヴェンダースとライ・クーダーは、古き良き時代に生きたキューバ音楽の巨人たちを集め、とても素敵な音楽ドキュメンタリー映画に仕立て上げた。ここに登場するミュージシャンは、齢60を越える人ばかりで、主人公格のコンパイ・セグントにいたっては92歳にして現役ミュージシャンである。すごい(なんて月並みなことば!)。映画は世間からすっかり忘れられた存在になっている元ミュージシャンたちのこれまでの人生を語り、彼らがアムステルダムとニューヨークで開いたコンサートのライブ映像(1998年)につながっていく。欲も得も忘れた老ミュージシャンが、自身の楽しみのために最高の音楽を奏でる。その姿はどこまでも崇高である。彼らを捉えるカメラワークがとても巧みで、南国特有の色彩もことのほか美しく描かれていた。

昨年公開の「白百合クラブ東京へ行く」は、まさにこの映画の舞台と人々を沖縄に置き換えたものだと思った。彼らを大都会に導くのが有名なミュージシャン(THE BOOMの宮沢和史)と映画監督(中江裕司)であることも同じ。しかしながら、音楽を奏でる人々がプロの自恃と気概を示す「ブエナ・ビスタ〜」の厳格さと、沖縄で本業の傍らボランティア的に音楽活動を続ける「白百合クラブ」の穏やかさには、明らかに異質なものがある。どちらがよいということではない。皆、それぞれに愛すべき人々である。なおキューバ、沖縄ともに対アメリカという視点が欠かせないことは十分承知しているが、ここでは政治的な話は抜きにしておく。

暑い夏にキューバや沖縄の音楽を楽しむ。発想が貧しくて申し訳ないけれど、これだけ暑いとそんなことしか思いつかないのであった。

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コメント

>ゆきこんさん
借りてきたサントラ、ずっとヘヴィローテーション中です。夏の気分に浸って、積極的にこの暑さを楽しみたいと、一応思っているのですが、すぐにへこたれてます。ウクレレ演奏家のCDも同じくヘヴィにかけまくってます。ハワイ、行ってみたい……。

投稿: morio | 2004.08.05 22:52

夏はラテン音楽でしょう、やはり。
と言いつつわたしも『ブエナ・ビスタ…』観てない組。
これ観てないとウクレレの先生に怒られるんだけど(先生は中南米音楽が専門なので)。
ヴェンダースの映画はひとっつも観たことないけど、なぜかヴェンダースの写真集は2冊も持ってます。写真家として好きです。
ライ・クーダーのCD"MAMBO SINUENDO"もいいですよ。

投稿: ゆきこん | 2004.08.03 15:05

>ぽた郎さん
サントラ、借りてきましたよ。ついでに映画公開2年後にフェレールのために集まって録音したものもあったので、それも一緒に。今日はちょっとだけ涼しくなったけれど、まさに盛夏にふさわしいバックグラウンドミュージックです。

投稿: morio | 2004.08.02 19:12

私もサントラ買ったあと,映画をみたクチです。morioさん,映画を見たら,サントラもゼヒ。イブラヒム・フェレールの渋い声が素敵っ! フェレールのCD,その後何枚か買っていました。私は密かに「キューバの嘉手苅林昌」とお呼びしております・・・。(^^;

投稿: ぽた郎 | 2004.08.02 03:22

>marinさん
心地よい音楽映画は、疲れてぼんやりしている時には、とてもよいです。今みたいに猛暑だとヘヴィなドラマは体が拒否反応を示します。ゆったりと過ごしていきたいですね。

>miuさん
暑いと思考回路がショートして一直線です。なんでも脊髄反射で深く考えることができません(それはもともとか、涙)。白百合の人たちはやはり音楽が本業ではないですからね。マスメディア相手だと緊張するばかりで楽しくないのでは。映画でも島唄が覚えられなくて苦労されたとのことです。

>yukiさん
それは映画の方もぜひ。色が綺麗ですよ。ヴェンダースは好き嫌いがはっきりわかれてるんじゃないですか。もっとも万人受けしても記憶に残らない人というのはたくさんいますから、嫌われても覚えられている人の方が、長い目で見たら生き残るということになるんでしょうね。

投稿: morio | 2004.08.02 00:02

実はワシもブエナビスタ見てないんですよぉ。
サントラは持っているのに……
ヴェンダースさんは、いろいろ酷評されることもありますが
ワシは、その大人になっても青っぽい感性 が好きなのであります。
いちど東京国際映画祭かなにかで姿を拝見したことがあるのですが
ご本尊も子供がそのまま大人になったような感じの方という印象でした :)

投稿: yuki | 2004.08.01 00:29

夏になると見たくなりますね。そんな今宵も扇風機に吹かれながら鑑賞の予定です。夏になるとラジオでも毎日ボサノバ。どうやらみなさん発想の経路が同じようで、そしてワタシも。
白百合の皆さん、夕べテレビで拝見しました。映画のできは分かりませんが、強力な顔面ライトに浮かび上がる白塗りの真剣な面々に少々引いてしまいました。表情に笑みが全くなく、あまり楽しそうに演じてないのが気になって仕方がなかったのですが、あれはわざとまじめにやっているのでしょうか。余裕がないだけなのでしょうか。誰か助けてください。

投稿: miu | 2004.07.31 23:09

morioさん、こんばんは。
『ブエナ・ビスタ…』はまだ観たことがないのですが、この記事で『パリ、テキサス』を思い出して、古いビデオを探し出しました。久しぶりだったので、まだ途中ですがとても新鮮です。ちょっと疲れ気味の今の気分に、すーっと入ってくる映像と音楽に涙。

投稿: marin | 2004.07.30 00:57

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