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2004.07.16

「コピーの時代」と琵琶湖針穴

コピーの時代先週の土曜日、大雨のために行くのを諦めた滋賀県立近代美術館。梅雨も明け、好天に恵まれたので、さっそく出かけてきた。9月5日まで開館20周年記念展として「コピーの時代−デュシャンからウォーホール、モリムラへ−」という展覧会が開かれている。看板はよく知られている森村泰昌の作品「Mのセルフポートレイト(あるいはマリリン・モンローとしての私)」である。JR瀬田駅から自転車を走らせ、汗だくになって到着した。

滋賀県立近代美術館芸術のみならず、創作や研究の世界において、何より重視されるのは独創性やオリジナリティーである。人真似、複写、模倣には価値は与えられず、存在そのものも公には認められない。しかし、20世紀の「ポスト・モダン」以降は状況が一変する。特にマルセル・デュシャンの一連の衝撃的な作品は、その後の現代美術の流れに大きな影響を与えたのは間違いないところである。そのデュシャンの代表作「L.H.O.O.Q.」や「自転車の車輪」「泉」、アンディ・ウォーホールの「マリリン」「キャンベル・スープ」をはじめ、ロイ・リキテンスタイン、シンディ・シャーマン、赤瀬川原平、福田美蘭、森村泰昌ら、複製や模倣、引用といった現代芸術に欠かせない表現の可能性を示す作家の作品を一挙に見ることができた。知の組み替えによってあらたな命を吹き込まれるこれらの芸術作品は極めて刺激的かつ挑発的で、凝り固まった頭の中を激しく揺さぶられる思いがした。比較のために展示されるオリジナル(モネ、マチス、北斎、黒田清輝ら)もありがたい。はからずも東京の森美術館で開催中の「モダンってなに?」も同趣旨の展覧会であった。なんだか楽しくなってくる。

なおこの美術館のレストランは琵琶湖ホテルが経営する。私ももちろん偵察した(笑)。いただいたのはビーフと海老のピラフ。和風出汁で炊きあげたライスをバターで風味付けした一品。おいしゅうございました。

すっかり満足して美術館をあとにし、今度は琵琶湖畔をポタリングである。大阪以外でまとまった距離を走るのは春以来である。瀬田から湖畔を北上し、烏丸半島を経て琵琶湖大橋へ。そして対岸の堅田まで走る。

さざなみ街道 琵琶湖

道中はよく整備されたさざなみ街道を走るので、何も問題はない。右手には青々とした水田が広がり、空は高い。そして左手には穏やかに水を湛える琵琶湖がどこまでも広がっている。実に爽快。今回は新しいピンホールカメラ(ZERO2000)の試し撮りのために、きちんとした三脚も持ってきた。ブロンプトンのリアキャリアにくくりつけて走る。

烏丸半島の蓮 zero2000

今日のもう一つの目的は、道中にある烏丸半島の蓮をピンホールで撮ることだった。ここの蓮の群生地は日本最大級の規模だそうで、左上の写真のようにずっと蓮の葉と花が続いている(ちょっとよくわからない?)。その場に立つと、まことに圧巻である。平日とあって人もほんのわずかしかいないし、こんな素敵な場所をほとんど独り占めである。私は自転車でしか来たことがないが、公共交通を利用するなら、JR草津駅からバスが出ているようである(水生植物公園みずの森で下車)。

あとはひたすら琵琶湖大橋を目指して走る。空と湖面がオレンジに色づいてきたところで、針穴撮影もした。右上の写真、カメラがちょっと黄昏れています(笑)。この空と雲と水がどう針穴に吸い込まれているのか、とても楽しみである。ご披露はまた別の機会に。

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コメント

>きささん
さっそくいらっしゃったんですね。きこきこの方にも拝見しに行きます。

投稿: morio | 2004.07.26 02:46

24日に行ってきましたよん。morioさんに感謝です!
http://www32.tok2.com/home/atsnaka/kisaroom/040724/040724.html

投稿: きさ | 2004.07.26 00:23

>m4
北海道でもクサマトリックスがあるから、東京をパスして大阪へやってきたはず、というのは忘れたことにしましょう(笑)。まさに百花繚乱の北の大地(言葉の使い方がおかしい)、紅葉がまだでも菊や椿は咲いているのでしょうか(ありえない)。

投稿: morio | 2004.07.18 00:41

あ、クサマトリックス...(来月までだわっ)芸術の森が遠くてのう(物理的に)。
ちなみに北海道での開催初日は東京班を迎えてのmeetupの初日と重なっており、その日には草間氏本人が来道していたらしいです。なんとまあ、濃い場所だったのでしょう...さっぽろ。

蓮はぎゅうぎゅうに自生しているせいでしょうか、たくましすぎて涅槃っぽさが薄れていますよね(笑) こちらでは紫陽花が満開になりました。葵は終わりかけ。薔薇は最盛期、ラベンダーが見頃です。紅葉はまだです。

投稿: mi4ko | 2004.07.17 08:23

>きささん
わぁ〜い、きささんだ。名古屋も暑いですか? キャンプの項、羨ましく思いながら読ませてもらってました。この種の現代アートの展覧会はなかなかないので、他の場所と絡めてぜひお運び下さい。楽しめますよ。

>marinさん
はじめまして。褒めていただくと嬉しいですが、すぐに図に乗るのでお気をつけ下さい(笑)。写真と自転車がお好きとのこと、同好の士として今後ともよろしくお願いいたします。

>mi4koさん
引用や複製、模倣は、時空を越えたコラボレーションといえなくもないですね。「知の競演」といった感じの刺激的な展覧会で楽しめました。北海道ではそろそろクサマトリックスだったのでは?
ここはレンコン畑ではありません。すぐ横に「水生植物公園みずの森」というのがありまして、自生している蓮が公共機関によって大切に守られています。涅槃のムードは、そうですね、微妙(笑)。

投稿: morio | 2004.07.16 23:47

きらきらと光って見えるものは、どこかに力がみなぎっているのです。それが模倣でも。最近は「コラボレーション」して相乗効果を狙うのが主流?
ちなみにこの蓮はレンコン畑ということなのでしょうか...ね、涅槃?

投稿: mi4ko | 2004.07.16 20:59

はじめまして。しばらく前から勝手にリンクさせていただき、時々陰から覗いておりました。黄昏れてるカメラの写真があんまり素敵なので、通り過ぎることができませんでした。
私自身はちょっと忙しくてカメラもなかなかできませんが、少し自由な時間ができたらやりたいことの1つです。針穴写真もいいですね。写真と自転車を愛するものの一人として、また、お邪魔させていただきます。

投稿: marin | 2004.07.16 09:11

あ~ステキな休日ですね。
9月5日まで、と聞くと今年はどうしようか迷い中の18きっぷを買ってしまいそうです。

投稿: きさ | 2004.07.16 07:22

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morioさんの琵琶湖の蓮、昨年夏に訪れた折には青々とした葉っぱだけだったのですが、やっぱり花の美しさは格別ですね。 で、今日は3年ぶりの蓮田へ行って来ました。... [続きを読む]

受信: 2004.07.18 22:35

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