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2004.12.22

69 sixty nine

妻夫木聡と安藤政信の2枚看板に加え、脚本が宮藤官九郎と来れば、ある程度の質は保証されたようなものだし、事実どうしようもない代物ということもないのだが、何だか今ひとつ乗り切れなかったなぁという印象のまま、最後まで流れてしまった。李相日監督の「69 sixty nine」。

舞台は1969年の佐世保。アメリカ軍の基地のあるこの街の男子高校生は、「女の子に受けたい、もてたい」という究極にして原初的な目的のために、日夜発情し続けている。折しもベトナム戦争や大学紛争などがあり、反体制派を気取って目立つ行動をするためのネタには困らない。何も考えていないようで、何かを考えているケン(妻夫木)とアダマ(安藤)は、「何かを強制される集団は醜い」と学校に反発し、ついに屋上封鎖を敢行する。そして目指すは自由と愛に満ちあふれたフェスティバルの開催。憧れの女生徒への恋心も絡んで、事態はますます複雑化していく……。

原作は村上龍の同名小説である。戦争のダメージから抜け出し、高度成長期に突入する「われらがニッポン」をも背景にして、当時の文化や流行(11PMや「平凡パンチ」、奥村チヨ、ストーンズなどが登場)をふんだんに取り込む映像は、スピード感にあふれていた。しかし、である。それがどうも観客不在で走っているように思えて仕方がなかった。1969年への思い入れや当時の知識の有無、濃淡だけが問題ではないだろう。「こんなにすごいものを集めたんだぞ、どうだ、おもしろいだろ」という押しつけがましさを感じるのである。俳優陣はもとよりすべてにおいて金に糸目をつけない豪華さがかえって鼻につく。それが物語を心から楽しめない一番の理由であろう。体制に反発する姿を描く映画そのものが観客に立ちはだかる体制になっているという、大いなるパラドックス。

ありていに言えば、「好みに合わない」というこちら側の事情がすべてである。俳優たちの演技や脚本そのものに不満があるわけでもないし(原作者は好きじゃないけど)。結局、「大東映の看板」が……、というところに行き着くのかもしれない。なんだか時代錯誤でバブリー(無駄に資源を使う)な印象だけが残る映画だった。

そういえば「世界の中心で、愛をさけぶ」のヒロインの誕生日は、1969年10月28日だったなぁ。69年、今年の流行か!?

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コメント

>きまやん
ちなみに「助けて下さい!」と叫ぶ彼(サク)は、1969年11月3日生まれでした。

投稿: morio | 2004.12.23 16:33

1969年10月28日生まれなのか… 

投稿: きまた | 2004.12.22 18:39

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