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2004.12.29

真実のマレーネ・ディートリッヒ

恥ずかしながら、この大女優の出演作品はひとつも見たことがない。歌はラジオで聴いたことがある。有名な「リリー・マルレーン」である。それくらい。

ディートリッヒの孫のディヴィッド・ライヴァは、二〇世紀を代表する女優の伝説を形象化するため、未発表のフィルムを多数集めるとともに、ディートリッヒと関わった人々(ビリー・ワイルダーやバート・バカラックら)による多角的な証言を得ることで、稀代のディーバの波瀾万丈の物語に具体的な肉付けをすることに成功した(と思われる、興味深く最後まで見ることができたから)。ただ私はディートリッヒのことを何も知らない。この映画のどこまでが知られたことで、どこからが新知見なのか、その境界線がわからないのがもどかしい。

1920年代からドイツで銀幕スターとして頭角を現したディートリッヒは、30年代に入ると活躍の舞台をハリウッドに移す。さらにナチスの圧政から逃れるために、アメリカへ移住し市民権を得る。やがてディートリッヒは戦地に積極的にでかけ連合軍への慰問活動を行うようになる。スターとしての彼女のもう一つの側面である。今ならさしずめ反戦活動だろうか。「リリー・マルレーン」はこの活動の象徴的存在である。

いずれにしてもドイツ人がアメリカのために働き、結果的に母国を打ち倒すという使命は、いかにナチスが絡んでいるとはいえ、簡単に説明できるようなものではないだろう。事実、戦後ドイツに赴いたディートリッヒに対するドイツ国民の反応は、愛憎相半ばするものだったらしい。ただ映画俳優としても歌手としても手詰まりになりつつあった彼女が生き残るには、こういう方法しかなかったというようにも見える。少なくともこの映画を見る限りでは。

ディートリッヒは七五歳まで現役として活動し、九一歳で亡くなった。けだし大往生であろう。そういえばディートリッヒの終生のライバル、グレタ・ガルボも観たことがないなぁ。宿題、宿題っと。

公式サイト

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