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2005.01.05

アイーダ(劇団四季)

aida & lamy何かと慌ただしい年の瀬。梅田に出たついでにいくつかの買い物をする。阪神百貨店の文具売り場で、気軽に使える万年筆がほしくて、ラミーサファリを買った。カラフルなバリエーションの中から赤を選んだ。黒いモールスキン手帳にもよく似合いそうである。

その後、見よう見ようと思っていた劇団四季の「アイーダ」に行く。すでに1年を超えるロングランとなり、2月末をもって千秋楽を迎える。買い物でいっぱいにふくれたディパックを背に、梅田から大阪ビジネスパークまでBD-1を飛ばしていく。

「アイーダ」とくればヴェルディの同名オペラを思い出す。しかし、このミュージカルは同じ題材を扱うものの、音楽はエルトン・ジョン(曲)とティム・ライス(詞)の手になる完全な別仕立ての作品である。ライス自身はこの仕事をするまで「アイーダ」のストーリーも知らなかったという。そのライスの言葉を借りると、「ヴェルディの『アイーダ』から音楽だけ捨てて他のすべてを残しておいた」とのこと。ただそうはいうものの、そこはディズニー、必ずハッピーエンドで締めくくるという伝統はしっかり生きている。オリジナルの悲恋物語を悲劇的結末で易々と終わらせはしない。古代エジプトの物語を現代劇でサンドイッチにし、幸せな物語に変換してしまった。善し悪しの問題ではない。制作者、演出者の思想のありようとして、これもまた「アイーダ」の一つの形として認めるべきであろう。

転じて劇団四季のミュージカルとして見た場合、どうだろうか。「キャッツ」や「ライオンキング」などに比べて、激しい動きや群舞が少ないため、朗々と歌い上げる演歌歌手の大歌謡ショー(見たことはないけれど)のごとき印象を受けた。とにかく声が圧倒的である(濱田めぐみ、壮絶!)。声の存在感、力というものを、生々しく感じることができた。肉体そのものといってもよい声は、見るもののプリミティブな感覚に訴えかけてくる。優れて抽象化された舞台セットや衣装、シンボリックな色彩の使用などとも相まって、シンプルな表現方法がかえって骨太な力強さを現出させる。

悲恋ものを強引にハッピーエンドにしてしまうディズニー的手法に異論を持つ向きもあろうが、これはこれで楽しめた。なお物語が転がり始めるまでの第一部前半、やや退屈を覚え、夢の彼方に旅立っていたことは、小さな声で付け加えておくことにする。あとは泣く人がやっぱり多い……。大阪MBS劇場で鑑賞。2005年2月20日千秋楽。

【当日の主要キャスト】
アイーダ:濱田めぐみ・ラダメス:福井晶一・アムネリス:森川美穂
メレブ:有賀光一・ゾーザー:大塚俊・アモナスロ:石原義文
ファラオ:岩下 浩・ネヘブカ:井上麻美

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