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2005.01.09

日記とかエッセイとかブログとか

人の日記やエッセイを読むというのはどういう心持ちがさせるのだろうか。

インターネットが特殊な環境でなくなり、情報を受けるだけでなく発信する人が爆発的に増えた。各自の興味・関心・専門に基づいた特殊な知識を開陳するものが、かつての「ホームページ時代」には多かった(もちろん今も多い)。それがここのところのブログ人気で、いわゆる日記やエッセイのようなものが格段に増えたように思う。もちろん以前からホームページに付随する形で日々の出来事を記すところもあったけれど、今のブログベースの日記・エッセイの隆盛とは比ぶべくもない。

ただあまたの日記やエッセイが公開されていても、続けて読みたいものはさほど多くない。基本的には本人を知っているとか、趣味が同じだとか、話が合うとか、何か特別な理由がないと読み続けられない(知り合いに機知や諧謔、教養に溢れた人が多いのは幸運である)。まれに書いている人についてまるで知らないのだけれど、文章がすばらしいので読みたいというところもあるが、こういうものにはなかなか行き当たらない。どこかのビールではないけれど、キレとかコクを感じさせてほしいと、自戒の念も込めて言ってみる。

著名な人物のサイトに公開される日記やエッセーは、「生身のあの人」を知ることができるというミーハー精神を満足させてくれるありがたさゆえに、ついつい毎日アクセスしてしまうのであった。たとえばよしもとばななの日記は、取り上げる話題がそこらへんのおばちゃん風情でとてもおもしろい。まめに更新されるし、文章が長いのも読み応えがある。まめといえば町田康もそうだが、こちらはキーワードの羅列といった趣で、やはり個性が出るものだなと思わされる。写真家だったら、蜷川実花川内倫子らの日記をよく読みにいく。芸能人では眞鍋かをりがアイドルらしからぬ放言、暴言で楽しませてくれる。

さて、よしもとばななはサイト上の日記を、定期的に本にして出している。商売としては一粒で二度おいしい。すでに新潮文庫から五冊が出ている。私は四冊目の『こんにちわ! 赤ちゃん』(新潮文庫、2004年7月)を買った。ここにはよしもとの出産体験記が記されているということと、書名の「こんにちわ」が日本語の誤用例として貴重だと思ったからである。文章自体はサイトで読んでいたから、いまさらどうもこうもない。

#日本語の誤用といえば、近時、北原保雄編『問題な日本語』(大修館書店、2004年12月)という本が出た。これについてはまた別に書くかもしれないけれど、ひとまず紹介だけしておく(言いたいことがいろいろ)。「最近の若いやつは」とつい言ってしまいそうになるあなた、ご一読を。

ネットにブログやサイトを持っていない人たちの日記やエッセーは本で読むことになる。もちろんそういう味わいも大好きだ(寝転がって読めるしね)。川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』(新潮文庫、2004年12月)には、小説と同じ匂いの川上弘美的空気感が充たされていた。心地よかった。書き起こしの一文がうまいなと思わされる。川上弘美といえば、「ほぼ日刊イトイ新聞」での糸井重里との対談も、二人の組み合わせが意外な感じがしておもしろかったなぁ。

いたずらに長いだけで、ひねりもオチもないまま終了……。

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コメント

>atcy
押さえきれない情動を感じるサイトが素敵です。それにしても発信する側はどこまで受け手を意識しているのでしょうね。虚空に向かってものを言い続けるのは、それはそれでたいへんなことだと思います。寝言レベルの私が心配するようなことではないのですが(爆)。

投稿: morio0101 | 2005.01.12 23:01

私は石黒巻の皆さん以外のところでは情報発信しようという心意気のあるところが好きです。心意気だけで生意気なところもいっぱいあるけど、他人のこと言えないや。寝言は寝て言うことにします。orz

投稿: atcy | 2005.01.10 20:43

>み&4
松尾スズキは近頃映画づいてますね。彼が主演した「恋の門」は逃してしまったけれど、レンタルになったら見たいと思っています。「キューティーハニー」ではハニーの上司を緩〜く演じてました。

>1496&ゆ
著名人とは言っても、やはりおもしろくないところは見なくなるわけでありまして。眞鍋さんのはネタへの切り口が楽しいので、つい立ち寄ってしまいます。別に本人のファンというのではないけれど。「コオロギ・オブ・ジョイトイ」なんか、すごいとしか言いようがない。

エッセイは客観的な根拠なく「こうだ」と書く文章だと思うので、よほどうまくやらないと「なんじゃ、それ、寝言は寝て言え」で終わりです。今の世にいきなり「春はあけぼの」とか言われてもね。

それにしてもお二人ともさくっと削除ですか。ホトログもあんな状態なので、放置状態みくしあたりを要チェックでしょうか。

投稿: morio | 2005.01.09 17:54

ishiguro選手同様ワシも今のblogは、たぶんさくっと削除してしまう予定(2周年までにはどうにか実行したいぞと)。個人的には一年前の今日は何してたんだろうか?と振り返ることも時にはあるのだけど……(なんといっても、人様んちのサーバなわけでこれ以上負荷をかけるわけにもいかず……)。
そーか、皆著名人/有名人のサイトとかチェックしてるのかー。
ワシは好きな作家のものですら「エッセイ」ってもんが読めないクチなのでたぶんダメだわー

投稿: yuki | 2005.01.09 07:53

真鍋さんのblogは刺激的ですね。面白いことを探しているひとのところに、ネタは舞い降りるという感じ。
なんだか中身のない生活を送っているので、blogもサイトも更新出来ず、近々破棄する予定。

投稿: ishiguro | 2005.01.09 05:40

そんな松尾スズキが来春の映画で主役とか。
精神科医といえばカッコイイが、伊良部役...(うぷぷ)

投稿: mi4ko | 2005.01.09 02:01

真鍋はもはやアイドルではないような感がうかがえます。
私は誰がなんと言おうと松尾スズキです。
誰も何も言わないのはわかっています。

投稿: miu | 2005.01.09 01:48

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