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2005.01.10

リアリズムの宿

山下敦弘監督の「ばかのハコ船」。タイトルからして強烈な吸引力を持つこの映画、上映時に見逃し、レンタル店には並ばず、挙げ句の果てにCS放映時でも録り損ねるという憂き目を見た。見たいのは憂き目ではなく映画なのに。

何となく負けたままDVDを買うのも癪だと思っていたところ、山下監督の新作「リアリズムの宿」がタワーレコードに並んでいるではないか。そういえば、これまた劇場で見逃していたのであった。昨年末に発表された「朝日ベストテン映画祭」でも堂々の日本映画第9位にランキングされている。迷いなく手に取った。「ばかのハコ船」は悔しいからそのままである。いずれ見る機会もあるだろう。

顔見知りではあるが、さほど親しくない二人の男、木下(山本浩司)と坪井(長塚圭史)が、共通の友人である船井(山本剛史)に誘われて、山陰を旅行することになった。ところが、待ち合わせ場所に船木が現れない。二人は落ち着きの悪いぎこちなさを感じながら、仕方なく貧乏旅行をすることになった。日本海を眺めている時、そこに半裸の若い女、敦子(尾野真千子)が現れた。真冬の海で泳いでいる最中に服も荷物も流されたという。ここからなんとなく三人の旅が始まるのであった……。

つげ義春の漫画(「リアリズムの宿」「会津の釣り宿」)を原作とするものの、これを忠実に映画化したのではなく、ちょっとしたエピソードとしてそこここに盛り込む形にアレンジしている。言わば、つげワールドのエッセンスを調味料として使っている。ただつげの漫画を読んだことがない私には、どこまで有効に機能しているのか、判断することができない。通奏低音のように映画全編に流れ続けるほの暗いトーンが、つげ漫画から来たものだとしたら、うまく生かしていると思う。映画自体は一種のロードムービーである。あまり親しくない人間が集まった時の妙な間の悪さがおもしろい。こういう感覚は日常生活の中にも確かにある。二人だと煮詰まるところ、そこにもう一人、しかも女性が加わることでドラマとしてきちんと転がっている。劇的なことは何も起こらないけれど、微妙な起伏を味わいたい向きの期待には十分応えてくれる。

最後に一言、付け加えておこう。公式サイトの著名人コメントは、私のために用意されたのかと勘違いしそうになった。蒼井優と麻生久美子が褒めているから、この映画はよい映画だと思います(謎)。

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コメント

>あち
そのエッセイ集の存在は知りませんでした。文章もニナミカですか? それとも麻生? 関係のない話題どころか、おおありです。「リアリズムの宿」なんてどうでもいい(失礼千万)。

なお「珍ちん」はやめれ(泣)。

投稿: morio0101 | 2005.01.12 22:55

そういえば蜷川実花撮影の麻生久美子の写真のいっぱい載ったエッセイ集というのをこないだ初めて見ました。珍さんなら既に五冊はいっているでしょう。あまり関係のない話題で申し訳ない。(笑)

投稿: atcy | 2005.01.10 20:47

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