« ヴォルフガング・ティルマンス『コンコルド』 | トップページ | 真珠の耳飾りの少女 »

2005.02.04

草間彌生を見に京都へ行く

concorde行こう行こうと思いながら、雑事が積み上がったり、寒かったり、寝坊をしたりで、気がついたら終了まであと10日しかないということになってしまった。最低気温が氷点下という予報をものともせず(嘘、ちょっとめげていた)、京都国立近代美術館で開催中の「草間彌生展 永遠の現在」にでかけてきた。

鞄にローライコードを放り込み、ブロンプトンで最寄りの駅まで走る。京都はまだ前日の雪が残っているらしいので、ブロンプトンは駅前スーパーの買い物客の自転車の列に紛れ込ませておいた(あとで痛い目に、涙)。阪急京都線の終点、河原町駅から鴨川方面へ歩いていくと、ところどころに雪が残っているのが見える。京都のこのあたりは実に久しぶりで、昨年5月のfotologミートアップ以来である。あの日も散策した白川・縄手近辺でカメラを振り回す。平日(しかも寒い)ゆえほとんど人がいない。白川の疎水に沿って平安神宮まで歩く。いつ来ても、この辺はいい風情である。朱がまぶしい平安神宮の鳥居が見えたら、京都国立近代美術館に到着である。

草間彌生の作品は現代美術展で他の作家のものと並んでいるのを見たことがあるだけで、単独の展覧会に行くのは初めてである。草間といえば特徴的なドット模様がよく知られていると思うけれど、今回は1980年代以降の作品に初期の代表作を交えての構成になっており、彼女の活動の大きな流れを知ることができる。順を追って見ていると、どんどん愉快な気分になってくる。わかるとかわからないとか、そういうことはどうでもよくて、ひたすら気持ちがよいなぁと思うばかりであった。そして私は草間の作ったモノに触りたくて仕方がなかった。目だけでなく触覚でも感じてみたかった。あの特徴的な形態や素材は、触れてこそさらにあれこれと感じることができると思う(もっとも作品の保護を考えるとそれは無理な相談であろう)。ともあれ、表情も脳内も緩みっぱなしのまま、3階の展示会場をぐるぐると巡り続けるのであった。いやはやなんとも。

concorde草間作品との悦楽の時間を過ごした後は、ついでに常設展示会場でアンセル・アダムスの美しいがちょっと単調な写真(不遜!)なども眺め、締めくくりにショップで図録と持ってもいない携帯電話用ストラップ(どうする気だ)を購う。夢心地で美術館を出ると、待っていたのは強烈な寒さ。いきなり現実世界に引き戻された。ああ。三条あたりまで戻り、古書店などを冷やかしてからイノダコーヒーに向かった。またそこで図録などを広げ一人ニヤニヤ。帰りの阪急電車でもニヤニヤ。

余談:これで終われば「本日もめでたしめでたし」であるが、おまけがある。帰り着いた駅で上に書いた「痛い目」が私の前に立ちはだかった。自転車を止めた場所に戻ると、なんとブロンプトンがない! ワイヤ錠3本で固定していたのに。しかし、盗まれたのではないことは明白である。なぜならなくなっているのは私の自転車だけではなかったからだ。つまり不法駐輪車両として一斉に撤去されていたのであった。ぎゃ。自業自得。自らの行為を呪いながらトボトボと愛車を引き取りに行きました。保管料三千円(プラス切断されたワイヤ錠)が寒空に消えていきました……。皆さんも自転車は定められた場所に止めるようにしましょう(言う資格なし>私)。

|

« ヴォルフガング・ティルマンス『コンコルド』 | トップページ | 真珠の耳飾りの少女 »

コメント

>ravさん
それはちょうどよかったです。こういう現代美術作家の単独作品展はなかなかないので、ぜひぜひ。ドットドットの世界、煌めく色彩の世界、目を回しながら楽しんできて下さい。

お誘い下さった春節祭ですが、残念ながら予定が合わないので不参加とさせていただきます。申し訳ない。またの機会を楽しみに待ちます。

投稿: morio0101 | 2005.02.08 23:18

わぁぉー
貴重な情報をー
ありがとう!!!!
ちょうど12日に京都に行くので
ぜひぜひ足を運んできます
一度見たかったの・・・この世界。。。

投稿: rav | 2005.02.08 23:10

>yusukeさん
はじめまして。草間彌生展は13日までですから、お早めにどうぞ。楽しめると思います。京セラのコンタックスに対する態度には、商売っ気ばかりが感じられて、それがちょっと嫌ですね。愛はないのか……。

投稿: morio0101 | 2005.02.08 00:04

はじめまして、yusukeといいます。
道草カメラさんのところから飛んできました。

京都国立近代美術館は行ったことないんですが、
草間彌生とアンセルアダムスとはちょっと面白そうなんで
北摂市民な私は阪急電車でちょっくら行ってみたいと思います。

CONTAX、まさかこんなに早く訪れるとは
思っていなかっただけにライトなユーザーな私も残念に思います。
多角化戦略の京セラなんだからしばらくは残してよと思うのですが
やっぱりよっぽど業績悪かったんでしょうかね。

投稿: yusuke | 2005.02.07 01:51

駅前では私と同じ表情をした人を、少なくとも5人は見かけました。同じように定まらない視線で「うう、ああ」などとつぶやいているように見えました(涙)。
京セラはあれだけ大量のCONTAX製品を整理して、この先はどういう展開を考えているんでしょうね。この業界の事情はよくわからないのですが、いまさら別の切り口で生き残るのは、かなり難しいように思えます。だからといって今のまま踏みとどまれるかと言われれば、それもまたよくわからないのですが。

投稿: morio0101 | 2005.02.06 00:32

「喫茶店で一人ニヤニヤしている不気味な珍さん」と、「不法駐輪撤去された場所で唖然とする珍さん」という、スーパーリアリスティック・アートを見逃したのが残念です。(笑)
思ってもいない場所で思いがけずアンセル・アダムズに遭遇したのは妙な気分でした。有名作品ばかりどうしたのかと思ったら「京セラより寄贈」。京セラはCONTAXをやめるだけでなくアンセル・アダムズまで手放すなんて、もう写真とは縁を切るのかいなと勘ぐりたくなりました。まぁ、それはありえないけれど。

投稿: atcy | 2005.02.04 23:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11234/2798506

この記事へのトラックバック一覧です: 草間彌生を見に京都へ行く:

« ヴォルフガング・ティルマンス『コンコルド』 | トップページ | 真珠の耳飾りの少女 »