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2005.05.27

村の写真集

5月20日に東京都写真美術館に行った時に、そこのホールで「村の写真集」を公開しているのを知った。でももう公開終了である。タイトルと簡単な内容は東京に出てくる前につかんでいたのに、新生活の雑事に紛れているうちにすっかり忘れてしまっていた。ああ、見に行きたい。

東京では公開が終わるところ、幸いにも大阪ではまだやっていた。上京前の朝一番の回にでかけた。

 徳島県花谷村。まもなくダムの底に沈むことになる村に、古い写真店があった。店主の研一(藤竜也)は昔気質の職人で、妻を亡くした後は香夏(宮地真緒)と二人で静かに暮らしている。カメラマンを目指す長男の孝(海東健)は、研一に反発し東京へ飛び出し、長女の紀子(原田知世)もまた結婚を巡って家を出たまま、長く音沙汰がない。
 ある日、孝のもとに村役場の野原(甲本雅治)から連絡が入った。ダムの底に消えていく村のすべてを写真集として残したいという野原は、研一と孝に撮影を依頼してきたのだった。孝は研一とうち解けることのないまま、険しい山道をともに歩き、写真を撮り続けていく。やがて孝はその父の姿から何かに気づき始めていた……。

徳島の風景がことのほか美しい。この景色を見るだけでも映画の価値はあるのではないかと思ったほどである。昨年、一昨年と続けて撮影に使われた地(池田町・祖谷)を訪れていたこともあって、山の澄んだ空気や深い緑の鮮やかさ、柔らかく滑らかな水音などが蘇ってくるような思いがした。ストーリー自体は、昔気質な父と今時の若者である息子の対立から和解に至る道筋が外連みなく示されており、ために叙情に流れすぎという批判があるかもしれない。善人ばかりかと思わされる村人たちの温かさもしかり。ただこのわかりやすさは「ヒロインなにわボンバーズ」「ドッジGOGO」などを手がけた三原光尋監督の持ち味であろう。人情もの、ご当地ものとして、こういうのもありかと思う。

写真がテーマのこの映画、監修は徳島出身の写真家、立木義浩である。何にどう関わったのか、映画を観る限りではよくわからないのだが、「徳島出身でも三好和義ではないのね」とはいうまい。劇場内は徳島県人会と化していたけれど、やっぱり映画館で観るのはいい気分である。OS劇場CAPで鑑賞。

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9月2日(金)  シネマスコーレにて 月に私よりもたくさんの映画を観ている友人から薦められた『村の写真集』を観に来た。友人はとにかくこの映画に絶賛で、「今年のナンバー1の日本映画になるかも」と話している。確かに地味で静かだが、いい映画だった。しかし正直に言....... [続きを読む]

受信: 2005.09.05 09:31

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