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2005.06.27

初もんじゃ

森山大道 もんじゃ あんこまき

とても暑い日曜日の昼下がり。昨夜見た「スター・ウォーズ」の余韻さめやらぬまま、小田急線に揺られて新宿に出た。今日最初の目的地は、新宿西口にある三井ビル1階の「エプサイト」である。ここで22日から森山大道の新作写真展「Buenos Aires」が開かれているのであった。昨年秋の写真表現大学での森山のレクチャーで、ブエノスアイレスとハワイの撮影をしているという話を聞き、とても楽しみにしていたものである。

圧倒的な迫力で迫るブエノスアイレスの写真群は、すべてエプソンの最新型インクジェットプリンタで出力されているという。作品の背後の壁面にも、淡い色合いで森山の写真が刷られており、空間全体が森山ワールドに染め上げられている。森山には珍しいカラー写真もあり、たいへん見応えがあった。また2度の訪問をビデオに収めたものも放映されており、時間を忘れて惹き込まれてしまった。

充たされた気持ちで、次は門前仲町を目指す。4月に上京する以前から、生粋の江戸っ子であるしきはんさんに、食べたことのない「もんじゃ」に連れて行ってほしいとリクエストしていたのである。それがついに実現した(嬉)。集まったのはしきはんさん、naomiさん、rinさん、aidaさん、いしぐろさん、そして私。

面々は下町情緒溢れる界隈を練り歩きながら、深川不動尊と富岡八幡宮で思い思いにカメラを振り回した。私は新しいタマピン(「科学のタマゴ」ピンホールカメラ)で楽しく撮影をした。マニュアル一眼レフに興味津々のしきはんさんには、FM3Aを使ってもらった(いかがでしたか?)。rinさんはここに来る前にカメラが増えてしまったと、嬉しそうだった(笑)。

仕事が終わったweblog244さんも合流して、いよいよメインイベントのもんじゃである。「ひさご」という店に連れて行ってもらう。なんだかとてもよい雰囲気である。窓の外には猫も歩く:-) 粉物文化と縁の深い関西人にとっても、もんじゃはあまり馴染みのない食べ物である。人によっては食感とか見た目に抵抗を感じる人もいるという。はてさて。

心配は杞憂に終わった。さすがに本物を知る人に本物を作ってもらったら、不満などあろうはずがない。とてもおいしくて、初めて握る小さなコテでパクパクと食べてしまった。結局もんじゃ3種(1枚は見よう見まねで作るのにも挑戦した)、納豆の入っているお好み焼きみたいなの、たこ焼き、さらには鉄板で焼くじゃがバター、そして締めにあんこ巻き。どれもあっという間に平らげた(そういえば、焼きそばも分けてもらった)。いやぁ、気に入りました、もんじゃ。合間合間のトークも意外性(!?)のある内容が盛り沢山で、そちらでも大いに楽しめた。

どうやらもんじゃは東京といっても東の方の食べ物らしいから、私が住む町田の方ではあまり見かけないらしい。なんだか針穴したくなるような場所でもあったから、散歩がてらまた行ってみたいと思った。最後に。関西人は御飯とお好み焼き、御飯と焼きそば、御飯とラーメン、どれも普通に組み合わせて食べるのです。:-) 参加者の皆様、どうもありがとうございました。

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2005.06.26

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐

目覚めよベイダーこれでいよいよ最後なのである。1977年のエピソード4から数えて28年目、ついにシリーズ完結作が公開される。いてもたってもいられない。迷わず先々行上映のチケットを手に入れた。この週末は東京で過ごすことにしていたため、新百合ヶ丘のワーナーマイカルシネマズで見ることにした(今回はネタバレなしでいきます)。

シリーズも6作となると、出来不出来はもちろんあるし、人によって好きだの嫌いだの好みも分かれるだろう。先日何かのニュースで見たアンケートでは、第2作の「帝国の逆襲(エピソード5)」が最も高い支持を得ていた。この第2作は「また来週お会いしましょう」みたいな造りが嫌らしく感じられるものの、スター・ウォーズ全体に関わるような謎が散りばめられており、娯楽作品としてみた場合、やはりよくできているといえる。私の好みは断然第1作(エピソード4)であるが、結局は相対的なものであって、シリーズの中でどうしようもないなと思うものはないのだった。

SW3パンフレットそして最後のスター・ウォーズである。もう見たいものはほぼすべて見せてくれる。全編暗いムードにどっぷりというのも、ダース・ベイダー誕生を彩るものとして、実に好ましく感じられた。「そんなはずでは?」と思う部分はもちろんあるが、ジグソーパズルの最後の一片がパチリとはまったという感があるのは確かである。クライマックスの大剣術大会の迫力と美しさは必見だ。「意外性がない」という悪評はきっとあるだろうが、それは問題にならない。今作は「そうなると思っていた」ということを、ルーカス自身の手で見せてほしいのだから。

ヘイデン・クリステンセン(アナキン・スカイウォーカー/ダース・ベイダー)に前作のような中途半端な演技をさせることなく、ひたすら暴れさせたのはよい演出だと思う。あの人は動いてこそ輝きを放つ。ユアン・マクレガー(オビ・ワン・ケノービ)は出演した3作の中で最もすばらしい存在感を見せているのではないか。しびれた。ナタリー・ポートマン(パドメ)は旧来の「耐えて待つ女性」として描かれているのは物足りないが、しかし、今作はあくまでもアナキンのダークサイドへの転落に巻き込まれる悲劇の女性としてのみ存在するのであるから、それも致し方なしか。

今後、「スター・ウォーズ」を新作映画として見ることがないと思うと、寂しさも一入である。ルーカスフィルムのロゴ、「A long time ago in a galaxy far, far away...」の前口上、そしてジョン・ウィリアムスの壮大なテーマ曲とともに流れ去る文字の河。痺れるような快感の余韻に浸りながら、今夜はエピソード3のサントラ盤(同梱DVDは大サービスの内容!)を楽しむことにする。

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2005.06.25

音楽バトン

しきはんさんからトラックバックが飛んできた。せっかくだからやってみる、Musical Baton

1 HD内の音楽ファイルの容量 約20GB
もっと入っていたけれど、HDを圧迫してきたのでかなり整理した。iPodに書き出した後、CDを持っているものや消えても惜しくないものはすべて追い出した。ちなみにiPodには22GBくらい入っている(マックの中身と一部重複)。

2 今、聴いている曲 右の「なうぷれいん」を御覧下さい。

3 最後に買ったCD
 Bonnie Pink「Reminiscence」

4 思い入れのある5曲
 皆川おさむ「黒猫のタンゴ」
  初めて自分のお小遣いで買ったレコード。
 カーペンターズ「オンリー・イエスタデイ」
  洋楽開眼。
 ビートルズ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
  衝撃。リアルタイムで追いかけたわけではない(笑)。
 松任谷由実「昨晩お会いしましょう」
  甘酸っぱい思い出。理由は聞かないで下さい。:-P
 オフコース「We are」
  長い付き合いになった。
 TOTO「ターン・バック」
  TOTOと同時代のAOR系(懐かしい)もよく聴いたなぁ。
 レベッカ「レベッカIV」
  「Maybe Tomorrow」に尽きる。
 モーツァルト「交響曲第41番ジュピター」
  初めて買ったクラシック。
 バッハ「ゴールドベルグ変奏曲(新録)」(グールド)
  グールド・ラブ!
 ベートーヴェン「交響曲第7番」(クライバー)
  カルロス・ラブ!!
 ソニー・クラーク「クール・ストラッティン」
  初めて買ったジャズ。
 リーチェ「がんばっていきまっしょい サウンドトラック」
  B級邦画の傑作、そのサントラ。なぜか手元に2枚あり。
 矢井田瞳「マーブル色の日」
  iTunes最多再生回数を誇る。ちなみに767回(2005/6/24日現在)

数が合っていないし、しかもアルバムまで交じっている。気にしないでもらいたい。最も愛した曲、アルバムというより、「ここから何かが始まった」というきっかけになったもの(ゆえにメジャーなもの多し)にした。「思い入れ」なんてことになると、とても選べない。

5 次にバトンを渡す5人
いかなる内容であってもネズミ講式に増殖させるのは本意ではないので、続けたい方はご自由にどうぞ。バトンは100本くらい置いておきます(笑)。お好きなだけお持ち下さい。

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2005.06.24

鯖とアリス

きっかけは北の女王様の一言だった。

陳さん、アリスがヤホーの雑誌に出てたけれど、「webでサバの味噌煮のレシピを探してる。人によって味付けが違うので色々見ている」って書いてあったよ!! エントリーするしかないっしょ! ぐぐられてしまうかもだよ、にひひ。

挑戦しました。鯖の味噌煮。サバの味噌煮。さばの味噌煮。三度もキーワードを書くところに、我ながらいやらしさを感じないこともないが、気にしない。そもそもこのエントリーを立てること自体がいやらしいのだ(笑)。

鯖とアリアスいつもお世話になる料理本にも鯖の味噌煮は載っている。しかし、もともと魚料理が好きではない(臭いがね……)こともあって、積極的に作ろうという気にはならなかった。それがいきなりこうなのだから、人生何が起こるかわからないものである(大袈裟!)。

記事はこちら

見事にググられた時のことを考え、レシピも書いておこう(大胆不敵)。

1 鍋に、水2カップ、生姜の薄切り、味噌大さじ3、醤油大さじ1、みりん大さじ1を入れて火にかける。
2 鯖の切り身を鍋に入れる。皮を上にして並べる。
3 ひたすら弱火で煮る。鯖がよい色になってきたら火を止める。
4 おいしくいただく。

魚臭さを完全に消すことはできなかったけれど、さほど手間もかからず、御飯によく合うおかずができた。これなら時々作ってもよいなぁ。レパートリーがまた増えた。ありがとう、北の女王様、ありがとう、アリス(笑)。来月は「亀は意外と速く泳ぐ」と「星になった少年」を見に行きます。

補注:「アリス」とは、蒼井優が映画「花とアリス」(岩井俊二監督)の中で演じた役名のことである。ちなみに「花」は鈴木杏が演じた。本来は「花」が主役のはずのこの映画、岩井監督の演出意図が奈辺にあるのか、見終えたあとは「アリス」の存在感が圧倒的であった。

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2005.06.18

石田衣良『池袋ウエストゲートパーク』

池袋には行ったことがない。この小説を読むと、まだ見ぬ池袋という街がとてつもなく凶悪な場所のように思える。どうなんだろ?

2003年に直木賞を受賞した石田衣良のデビュー作にして出世作。2000年には宮藤官九郎脚本でテレビドラマ化もされており、長瀬智也(「タイガー&ドラゴン」おもしろい)、窪塚洋介(どうしてる?)、妻夫木聡(大物感が出てきた)、坂口憲二(お父さんの方が好き)ら、いわゆる「イケメン」な若手俳優が揃って出演して、高視聴率を稼いでいたらしい。今思えば、確かにすごい組み合わせである。五年前はこうやってひとまとめにされていたのか……。

若者の風俗や生態を小説にしたものだと思っていたが、さにあらず。これはミステリーであった。だから先を急いで読みたくなったのかもしれない。しかし、そうでなければ、どうだっただろうか。早口で奏でるラップ音楽の歌詞のように、短い文を積み重ねる文体に疲れを感じてついていけない。1ページも2ページも句読点を打たずに書き続けるような作家、たとえば谷崎潤一郎が読んだとしたら、赤鉛筆で添削だらけになるような文章である。昭和初期から21世紀へ、文章もずいぶん変わったものである。

ミステリーだから先が気になる。しかし、目の前を通り過ぎた文章は次から次に脳裏の彼方にこぼれ落ちて、あとに何も残らなかった。いや、事件の結末だけは残った。とすると、私は結末を知るためだけに読書していたのだろうか? ここには「若者たちの鮮烈な現在」が描かれていると帯には謳われているけれど、この文章があとに何も残らないのと同じような軽さしか私には感じられなかった。

念のために言っておくけれど、物語そのものはおもしろかった。人物も魅力的である。しかし、再読味読するような文章の魅力はない。そういうことである。ならば、ビデオ化されているテレビドラマを見る方がより楽しめるかもしれない。なお小説の最後についている解説(池上冬樹)の内容は、まれに見る酷いものである。こういうものを書いて稼げるのなら、文芸評論家とはずいぶんいい商売だなと思う。(文春文庫、2001年7月)

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2005.06.17

久しぶりのPowerBook生活

田所&パワーブック掌が妙に生ぬるく温められるPowerBook G4 12inchを使うようになって一ヶ月半が過ぎた。

6月にサンフランシスコで開かれたWWDCで新しいPowerBook G5が発表されるのではないかという噂が流れていたものの、結局それはなく、来年以降のインテルのプロセッサ搭載というニュースだけで終わった。プロセッサのメーカーを乗り換える発表をした以上、消費電力や発熱量に問題がありそうなG5を積んだPowerBookはもうないのだろうと思われる。勝手な憶測。いや、私のやっている仕事ならばG5どころかG3でも十分なので、そういうニュースに一喜一憂することもないのだけれどね。

液晶パネルを閉じる時にニョキッと生えてくる爪がラブリーなこいつ(スリープするたびにAirMacのことを忘却の彼方にすっ飛ばしてしまうのはご愛敬か)は、私にとって4台目のPowerBookである。Duo230、Duo280、Duo2300cと乗り換えて、その後はノートパソコンを持ち歩く必要がなくなったのでどれも手放してしまった。もともとマックは一体型こそが真の姿であるという「原理主義者」でもあるので、9インチのモノクロモニタを搭載したあの姿が最善にして最良だと思っている。Quadra840AVやらPowerMac 8500やらも使ったけれど、最終的には一体型の流れを汲むiMacシリーズを使うようになったのも必然であった(だいぶ形は違うけど)。最初に買ったClassic IIは今も大阪の自室に鎮座ましましている。SE/30にしたらよかったとちょっぴり後悔しているのは内緒……。

ここまで書きながら、どうやらオチは付きそうにないなと思ってます。

ともあれ、少々重いことと電池の持ちが何年も前のレベルとあまり変わっていないことを除けば、特にこのマシンに大きな不満はない。寝床に持ち込んでDVDを見ることができるのはありがたい(アリスや悦ネエがいつもすぐそこに、笑)。本命のiMac G5(機能面でのデザインがいまいち)は、職場であてがわれたどうしてもなじめないウインドウズマシン(富士通のFMV=iTunes専用機)をどこかに追いやるために、いずれ手に入れたいと思う。そうだなぁ、今ほしいのはPowerBookに繋げるシネマディスプレイとこいつを入れて運ぶボブルビー、言うだけはタダなので言ってみる。終わり。やはりオチなし。

余談:銀座のポーラミュージアムで個展を開かれた田所美恵子さんからお礼の葉書が届いた。素敵な写真を見せてもらったのはこちらなので、なんだか申し訳ない気がする。

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2005.06.15

思い通りにならない結末

NHK名古屋放送局が制作した「七子と七生」の結末は、とてもテレビドラマのものとは思えない暗さであった。異母兄弟の七子と七生の父は早くに亡くなり、またそれぞれの母親も一人は病死、もう一人は傷害事件で拘置所に入っている。残された二人が協力して穏やかに生活していくのかと思いきや、これがそうはならずに哀しい幕切れとなる。文化庁芸術祭のテレビ部門優秀賞を受賞したらしいが、そういう優等生的な評価はともかく、なんとなくやり切れない気分があとに残る番組であった。もっとも私個人は七子役の蒼井優が魅力的だからいいのだけれどね。

そうした思ったような結末にならなくて、なんだかすっとしないという点では、「ターミナル」もまた同じである。やっぱり「みんなハッピーでイェ!」のスピルバーグ映画なら、主演の二人は結ばれてほしい。トム・ハンクス演じる主人公ナボルスキーの真の目的は父の積年の思いを果たすことであっても、それをさらに「感動的」にするためにアメリア(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)との恋愛が成就すればよかったのにと思うのは、きっと私のハリウッド映画に対する偏見のなせる業だろう(一応、自覚はあります)。結末に至るまでの人間ドラマは感情を揺さぶる仕掛けも多く、「これぞハリウッドの王道」のような展開だっただけになおさらそう感じる。

NHKものとハリウッドもの、最後はスカッと大団円で喜びたいのだった。以上、独断と偏見に満ち満ちた勝手な注文である。

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2005.06.10

偉大なり、これら異世界

1970年に大阪で開催された日本万国博覧会の記録DVDが発売になった。関西では飛ぶような売れ行きを見せて品薄状態になっているらしいが、東京では店頭で普通に買うことができる(新百合ヶ丘、町田周辺限定、笑)。思い入れの度合いが違うということなのだろう。先に発売された万博グリコの売れ方を見てもそういうのは感じられたし、現在開催中の愛・地球博にしても、地元民とそれ以外の土地の人たちとの間には明らかに温度差があると思われる。

さて大阪万博の目玉展示であったアメリカ館の月の石は、1960年代のアポロ計画によってもたらされたものである。その熱狂ぶりたるや、すさまじいものであった。当時いたいけな子供であった私は、数度の万博詣での甲斐もなく、ついにこの異世界の石を拝むことはできなかった。残念だと思ったけれど、すぐに石のことなど忘れたのは子供ゆえの無邪気さというか罪深さというか……。

そして久しぶりにあの石のことを思い出させてくれたのが、マイケル・ライト『フル・ムーン』(新潮社)である。NASAの低温保管庫には、アポロ計画ミッション中にハッセルブラッドで撮影された宇宙写真が大量に残されていたという。3万2千点から厳選された写真は打ち上げから帰還までの「奇跡の月旅行」の全貌を見せてくれる。私は人間の撮影した宇宙写真の生々しさに打ち倒された。写真とは一期一会の瞬間を捉えたものと考えるならば、これ以上の写真集はないかもしれない。なお『フル・ムーン』は、川内倫子が最も好きな写真集としてあげていたものでもある(自分のような者が写真など撮らなくてもいいのではないかと思ったらしい)。細部まで味わい尽くしたい。

価値ありといえば、三好和義の『屋久島』(小学館)もすばらしい。人気のある「屋久島」本は掃いて捨てるほどあるが、この写真集は「RAKUEN」ものを得意とする写真家による乾坤一擲の一冊である。とにかく写真が美しい。なんでも「最高級の美術印刷技術」を使って制作されたという。このクオリティの高さは一見の価値があろう。ページを繰るたびに息を詰めて見入ってしまった。生命感溢れる緑と水の島の空気を確かに感じることができる。

月も島もただひたすら偉大である。そのことを改めて知る。

#大阪万博DVD、次に見かけた時に手に入れようっと。

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2005.06.05

川崎の写真展へぶらり

パンフレット川崎市市民ミュージアムにでかけてきた。

昨年、ここの学芸員である深沢雅文さんのレクチャーを受ける機会があり(@写真表現大学)、その話の中でこの美術館のユニークさを知ることができた。いつか行きたいと思っていたところ、たまたまこの春から東京で生活を始めることになり、チャンス到来(笑)。しかも4月からの企画は、歴代の木村伊兵衛賞受賞者の作品が一堂に会するものであり、まさに願ったりかなったりの内容である。

小田急線の登戸で降り、JR南武線に乗り換える。雨の予報の出ている土曜日の午後、やや人が少ないかという感じであった。やれやれ。武蔵小杉からはバスに乗る。揺られること、約10分で到着した。建物の品の良さが印象的である。

「時代を切り開くまなざし」と題されたこの写真展、第1回受賞者である北井一夫の作品から第30回の中野正貴まで、受賞順に展示されている。展示方法に工夫が凝らされていて、次々と現れる美しい写真に目を楽しませてもらえた。モノクロ写真の凛とした厳しさやカラー写真の鮮やかさが特に印象深い。パソコンモニタや印刷物の質がよくなったといっても、やはりオリジナルのプリントの品質は格別であった。あの実物を自分の部屋に飾れたらいいのに(高価すぎて無理です)。写真集で我慢します……。

パンフレット今回の写真展の図録はなかった。先に発売された『36フォトグラファーズ』(朝日新聞社)がそれに代わる。展示された写真がすべて掲載されているわけではないので、そこに不満が残る。気に入った写真家のものは写真集で買うしかないのだが、絶版になっているものの多いのが困ったところである。

美術館から出ると、雨になっていた。帰り、いつものスーパーで野菜を買い込み、北の大地から直送されたスープカレーを作って食べた。具は鶏の胸肉・ピーマン・パプリカ・セロリ・にんじん・ジャガイモ。ごちそうさまでした。

目もお腹も満足した雨の土曜日だった。

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2005.06.04

ニライカナイからの手紙

パンフレット今年の出演作品
 鉄人28号(3月)
 ニライカナイからの手紙(6月)
 亀は意外と速く泳ぐ(7月)
 星になった少年(7月)
 変身(待機中)
 男たちの大和(12月)
初めての主演作品

竹富島の少女
父はいない
母は6歳の時にいなくなった
誕生日になると母から手紙が届く
14歳の手紙に20歳になったらすべてを明かすとあった
18歳で上京
写真を仕事にする
東京での一人暮らし
19歳の手紙に記された翌年の待ち合わせ場所

「おかあ、いま、どこにいる?」

20歳の誕生日に起きる出来事

ニライカナイ=海の向こうの楽園

主演、蒼井優
彼女の魅力がすべての映画


物語はひねりがないものの、涙腺を刺激すること甚だしい。年輪を重ねた結果、箸が転がっても「哀しく」なる人にはハンカチ必須な映画である。大阪・梅田ブルク7で鑑賞。

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2005.06.03

プルートウとパタリロ

宮本亜門がトニー賞の候補になったというニュースが先頃伝えられた。歴史と伝統を誇る演劇賞を獲得することになったら、画期的なことだろう。その宮本がノミネートと前後する時期にNHKで長く続いている「ようこそ先輩 課外授業」という番組に出演していた。多くの脚本や演出を手がける宮本らしく、子供たちに「赤ずきん」のドラマ化という課題に取り組ませていた。これが実におもしろかった。誰もが知っている「赤ずきん」をベースにしながら、個々の作中人物やエピソードに子供たちの考えた肉付けがされていくのだ。しばし逞しくしなやかな想像力の切り開く世界の豊かさを楽しむことができた。

この番組を見ながら、私はふと思い出すものがあった。それは、源氏物語と鉄腕アトム……。

約千年の時を隔てて生み出された両者には共通点がある。いずれも世界的な知名度を誇る日本の文化、著作物であるということだ。それぞれの偉大さはことさら述べ立てるまでもないだろう。そしてこの両作をモチーフにする漫画がほぼ同時期に現れたのである。一つは魔夜峰央の『パタリロ源氏物語!』(白泉社)、そしてもう一つが浦沢直樹の『プルートウ』(小学館)である。

『パタリロ源氏物語!』はバンコラン扮する光源氏やパタリロ陰陽師らが原作の展開に則りながら大暴れをする。しかし、そこはそれ、パタリロの世界観が投影されるわけだから、オールキャスト勢揃いのはちゃめちゃなドタバタ劇になっている。「平安時代にそんなこと!!」とか「源氏物語にはありえない!!」とか、そういうことを考えてはいけないのだ。パタリロたちならきっとそうするだろうと思わせて、期待通りにそうしてくれる。この予定調和的世界が心地よい。千年前の物語を説明するメタ言語が少々煩わしいかもしれないが、それ以上に現代の源氏物語享受のありようをうかがわせてくれる楽しみの方が勝っている。一番の問題はこのペースで行くと、源氏物語五十四帖終了時には百巻近くなることか。

一方の『プルートウ』は、鉄腕アトムの全エピソードの中で最も人気があったという「地上最大のロボット」をモチーフにして近未来のロボット社会を描くものである。私自身はアトムには思い入れもなく、テレビアニメも漫画もほどほどにしかつきあっていなかったため、「地上最大のロボット」の話もまったく知らなかった。今回、この原作が同梱されている豪華版を手にしたのだが、語ることばを失うほどのすばらしさである。原作にもある種のメッセージや哲学は感じるものの、どうにも娯楽の色が強すぎて、ありていにいえば幼稚に見えて仕方がないほどである。浦沢の描く世界は紛れもなく「地上最大のロボット」に依拠していながら、すでにそれを完全に凌駕しているとさえ思える。それほどの広がり、重み、深みがある。まだ二巻が発売されたばかりである。次はどうなるのだ!?

想像力の勝利。知力とセンスのある人たちが本気で「赤ずきん」を再構築するとこうなるのだ。

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