庭園植物記展
自分で花や植物の写真を撮ることはあまりない。撮り方がよくわからないのだ(他はわかっているのかというツッコミは受け付けません :-P)。被写体そのものの美しさを主題化し再構築するだけの力が自分にはないのだと思う。だからもっぱら見る方に回る。
目黒にある東京都庭園美術館で開催中の「庭園植物記展」に出かけてきた。東松照明の印象的な「ゴールデンマッシュルーム 千葉」をあしらったチラシを見つけた時から、ぜひとも行きたいと思っていた展覧会である。この展覧会では日本における植物表現の歴史を辿ることを目的とし、江戸時代幕末期の植物画から現代の写真家による作品までを一堂に会して展示する。
アールデコ様式の旧浅香宮邸の建物全体に、まさに匂い立つような植物の絵や写真が飾られている。どれもが興味深く見飽きることがない。江戸時代から明治時代に描かれた植物画は、それらがもともと科学的な目的(カタログ・図鑑)でスケッチされたことを忘れさせるような美しさで、大変印象的である。また明治の頃から日本でも実用化された写真による植物の描写も、観察的手法でありながらモノクロの姿がたいそう美しい。生け花や植物をモチーフとした工芸作品も見応えがあった。
圧巻は現代の写真家による作品群である。先に紹介した東松照明は言うに及ばず、生々しい荒木経惟の花や極めて精緻な井津建郎のブループラチナプリント、鈴木理策の息づいているかのような吉野桜、色彩の渦を巻き起こす蜷川実花(ウインターガーデン一室がすべてニナミカワールドになっている)など、どれもがそれだけでも見に来た価値があるほどのインパクトであった。
図録の出来が秀逸である。こういうものを見ると、ますます自分で花の写真など撮らなくてもいいなと思わされることしきりである。11月6日まで。
補足 いくつかの写真集
蜷川実花の『Acid Bloom』(花の写真集)と『Liquid Dreams』(金魚の写真集)を手に入れた(ともに河出書房新社)。いずれ買おうと思っていた写真集であるが、今回の展覧会をきっかけにして矢も盾もたまらずという感じになってしまった。色彩が溶け出したような写真は好き嫌いが分かれるところだろう。しかし、理屈抜きにこのド派手な色彩が目を悦ばせてくれるときもあるのであった。それからこれも前からほしかった畠山直哉の『LIME WORKS』(amus arts press)もようやく見つけることができた。木村伊兵衛写真賞を受賞したこの写真集は、日本国内にある石灰石鉱山、石灰工場、セメント工場を撮影したものである。いわば植物(自然)の対極にある人工的風景である。これがはっとするほど美しいのだ。環境破壊などという道徳的なことは今は持ち出すまい。表現としてその美しさに敬意を表する。
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長々としたモノローグと奇を衒った映像(と主演アイドル)に頼った映画「インストール」は、最年少芥川賞作家綿矢りさのデビュー作を原作としていた。映画を観たときにはまだ小説を読んでいなかったのだが、単行本から4年が経ち、ようやく文庫本として登場した。
「東京はずるい」とmi4koさんが言った(mixi日記でのことなのでリンクはしない)。「この二文字を付けるだけで、いっぱしのブランドのように見えてしまう」というご託宣にはなるほどと首肯せられるところがある。方法としてひねりがなく、漠然としたイメージにのみ頼っているところは安易の謗りは免れないだろう。あっ、私の日記の名前……、「
週に何日かは立ちっぱなしでプレゼンのようなことをしてはいるが、基本的には座り続けることが仕事のようなところがある。若い頃はどんな椅子に座っていても平気だったのに、近頃はすぐに腰や背中が疲れてきて、ただでさえよろしくない作業効率がますます悪化の一途を辿っている。死活問題である。
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