亡国のイージス
日本の海上自衛隊の護衛艦がイージスと呼ばれていることくらいは知っていた。しかし、その由来はといえば、お恥ずかしいことにきちんとした知識がなかった。公式サイトによれば、
「イージス」とはギリシャ神話に登場する最高神ゼウスが娘アテナに与えた、あらゆる邪悪を払う「無敵の盾」のこと。
とあり、劇中でもそのことについては触れられる。専守防衛を旨とする日本の自衛隊を象徴するかのようなものであろう。ところが、専守防衛は専守防衛であって、それが働くことを許されないような先制攻撃を受けた場合、文字通り手も足も出ないことになってしまう。加えて「未曾有の経済的発展を享受しながら、理想も持たず、国家としての責任能力も自覚せぬまま世界進出を遂げた日本。バブル崩壊が経済を袋小路へと迷い込ませたとき、そこに我々が誇るべきものは何ひとつとして残らなかった(公式サイトの解説)」日本という国の「何」を守るためにそれはあるのかという問題にも直面する。この映画はこうした大いなる矛盾と自己欺瞞に満ちた日本と自衛隊のありようを、娯楽作品として見せる。
海上自衛隊のイージス艦いそかぜが亡国工作員(中井貴一)と副艦長(寺尾聡)により乗っ取られる。艦のミサイルには特殊化学兵器が装備され、すべての照準は東京都心に設定されている。最新の防衛システムを持つイージス艦には政府も自衛隊もなす術がない。その時、先任伍長の千石(真田広之)が艦を取り戻すべくたった一人で行動を開始した……。
「どついたるねん」「KT」「顔」など、人間臭い重厚な物語を得意とする阪本順治監督らしい一作であろう。原作は福井晴敏の同名小説である。アクション、特撮、ドラマ。どれも破綻することなく手堅くまとめられていると思う。主役の真田広之の活躍はもとより、敵役の中井貴一と寺尾聡の狡猾さと憎々しさが印象的だった。なお本作は2006年朝日ベストテン映画祭日本映画(注)の部第6位になっている。
公式サイト http://aegis.goo.ne.jp/index.html
公式ブログ http://blog.goo.ne.jp/aegis_staff/
福井晴敏公式サイト http://www.fukuiharutoshi.jp/
注:2006年朝日ベストテン映画祭日本映画
第1位 パッチギ! 第2位 メゾン・ド・ヒミコ 第3位 リンダリンダリンダ
第4位 カナリア 第5位 いつか読書する日 第6位 亡国のイージス
第7位 ニワトリはハダシだ 第8位 理由 第9位 空中庭園 第10位 運命じゃない人
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薬師丸ひろ子を見ると、昔々の「セーラー服と機関銃」や「Wの悲劇」を思い出す。特に後者は傷心なこと(色っぽい話ではない)があった直後の気晴らしに観たので、今でも強く印象に残っている。「顔、ぶたないで! 私、女優なんだから!」 嗚呼、懐かしい。
今年の4月から東京での一人暮らしが始まった。これまで料理らしい料理もろくにしたことがなかったので、「これを機会にがっちり」とまでは思わなかったけれど、それなりの緩い決意で自炊をすることにした。
そして年内最後の東京での自炊くんはブロッコリーのカルボナーラ、豆腐のサラダ、黒豆納豆であった。それにしても、である。血迷って小遣いで馬鹿高い鍋まで買うほどになるとは夢にも思わなかった。
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プロレス初心者の元横綱曙が、悪役レスラーとしてグレート・ボノに変身する。彼はプロレスの師匠である武藤敬司の演じる悪の化身グレート・ムタとの競演を目論む。醜いがおもしろい。プロレスファンは知っている。ヒール(悪役)となるレスラーは、なぜかリングネームに「グレート」の屋号を掲げていることを。
一枚の写真に何を見るのか。米田知子の写真は一見何の変哲もないようなスナップに見える。たとえば右の青い写真。人気(ひとけ)のないプールで若い恋人が穏やかに抱き合っている。世界中のいたるところで繰り広げられているであろう恋愛模様が、印象的なタイルの壁や青い水面によって美しく彩られている。しかし、この写真につけられたキャプションを読むと、その幸せな風景はたちまち違った相貌を見せ始める。


上野動物園にほど近い地下鉄千代田線根津駅から歩くことにした。東京芸術大学の重厚な建物を横目に見ながら、深い黄色に染まった立派な銀杏の木に目を奪われる。しばらくすると人波が現れる。まもなく閉幕する「
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