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2005.12.12

真夜中の弥次さん喜多さん

伊勢といえば、大阪の小学生の修学旅行の定番だった(今はどうやら違うらしい)。伊勢神宮に行くことにどのような教育的意図があったのか知る由もないが、宗教施設としてみた場合、どう考えても問題が多そうなので、きっと日本の歴史や文化に触れるという名目でやっていたのだろう。江戸時代は信仰のための旅が盛んで、中でも伊勢参りは別格の存在であった(単なる観光目的の旅も増えていたらしいが)。強い信仰心に支えられたお参りならともかく、無目的に訪れる場所としてはいかがなものか。旅行の詳細はすでに忘却の彼方に消え去ったが、子供心に伊勢神宮や夫婦岩などちっともおもしろくないと思っていたことだけは確かである。

そんな伊勢参りをする有名人といえば、ご存じ十返舎一九「東海道中膝栗毛」の弥次さんと喜多さんである。映画「真夜中の弥次さん喜多さん」は、しりあがり寿の同名漫画を原作とし、脚本家、俳優として活躍する宮藤官九郎の初監督作品である。脚本も宮藤が担当する。

同性愛者の二人、弥次さん(長瀬智也)と喜多さん(中村七之助)が江戸での生活に疲れ果て、そこから逃げ出すかのようにお伊勢参りに旅立つ。その道中で起こる騒動を描く。笑の宿・喜の宿・歌の宿・王の宿と題された4編はあたかも連続テレビドラマのような構成に見える。時代考証などはどこ吹く風で、荒唐無稽を形象化したものとしかいいようがない。その部分を楽しめるか否かで、この作品の評価は大きく分かれると思われる。漫画の実写版と割り切り、「学芸会」のような乗りと勢いに巻き込まれながら観るのがよいか。思いがけない豪華キャストの出演は楽しみの一つであろう。個人的には麻生久美子の美しい「きのこ人」が観られただけで(以下自粛)。

伊勢か。15年前にドライブがてら行ったきりである。今なら伊勢うどんを食べるだけで幸せになれるな。あとは松阪で本居宣長の史跡巡りと松阪牛堪能。俗まみれなことである。

「真夜中の弥次さん喜多さん」公式サイト http://yajikita.com/

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コメント

>アンチ十返舎一九
美貌で栗おこわに勝ったところであまり嬉しくないと思われます。

投稿: morio | 2005.12.13 23:11

そんな十返舎一九が「続膝栗毛」執筆の折に中山道を旅し、
馬籠峠の茶屋で名物「栗強飯(栗おこわ)」を食して一言。

「渋皮のむけし女は見えねども、栗のこわめしここの名物」

ああどうせ渋皮女だよ。

投稿: み | 2005.12.13 16:43

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昨日、今日、DVDで映画を三本みたのですが、偶然、三本とも「記憶モノ」でした。ど [続きを読む]

受信: 2005.12.27 01:14

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