東京を知る
先週の月曜日に初めて谷中を歩いた。「初めて」と書いたが、東京でどこかへ行けば、ほとんどが「初めて」である。自慢じゃないけど。それで初めて歩いた谷中は右も左もわからなくて、地図を持っていても何の役にも立たないのであった。ただmi4koさん@旭川のあとをふらふらと付き従うのみ。いったいどっちが東京に住んでいるのか……。
#この数日後、同僚にこの町に住む人がいて、いろいろと話を聞いた。先に聞いておけばよかった。後の祭り。
買い物客で賑わう谷中銀座や、多くの猫がたむろする「夕焼けだんだん」と呼ばれる石段など、改めて訪れたいところである。できれば天気のよい日に。ついでに下調べもきちんとして。
一応、折々に東京に関する本(「東京人」など)を仕入れて、それなりに知ろうとはしているのである。たとえば上京直前にぽた郎さんから薦められた秋本治『両さんと歩く下町』(集英社新書)は春のうちに読み切った。東京の東側の下町界隈のことが、長寿漫画を交えて生々しく語られる。ところが、受け取るこちら側に街に対する内なる揺動や皮膚感覚というものがないので、ちっとも染み込んでこないのだ。また昨秋刊行された田中優子(近世文化)の『江戸を歩く』(集英社新書)も、学術的考証をベースにして、現代の東京に存在する江戸の名残を炙り出す。これもまたたいへん興味深い一書であったが、同様にどこまでも知識としてしか内容を受け取れないもどかしさを感じた。それもこれもすべて私の問題である。すぐそこに東京(=江戸)はあるのに。
そして新しく手に入れたのが、「東京がわかる300冊 もっと書を持って、街に出よう」(「散歩の達人MOOK」、交通新聞社、2006年2月)という、まさに私のために刊行されたのではないかと思える雑誌である。春には少し時間ができるはずなので、こういうものを読みながら、少しずつ、頭ではなく心で東京のことを知りたいと思う。
オチなし(笑)。
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