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2006.02.11

戦国自衛隊1549

「戦国自衛隊」というタイトルからは、ただちに半村良の小説とそれをもとにした同名の角川映画(1979年)が思い出されるが、2005年に公開された本作は「ローレライ」「亡国のイージス」と同じく福井晴敏の小説を原作とする。

この映画の場合、タイトルが内容のほぼすべてを物語っている。おのずと定まる焦点は外しようがないのだ。すなわち、最新鋭の装備を持つ自衛隊が戦国大名や武将たちとどのように戦うのか、そして現代と過去の往還にいかに説得力をもたせるのかという二点に尽きるであろう。織田信長は実は過去にタイムスリップした元自衛官であったという「意外なおまけ」もついてはいるが、基本的にはこの二点のドラマ化が中心に据えられることになる。タイムスリップについての劇中の解説はひとまず騙されておこうかという程度の代物であるが、500年を隔てた新旧軍隊の戦いは見事な特撮と相まって見応えがあった。

その一方、人間の関わるドラマとしてはどうであろうか。こちらは特撮ほどにはうまくまとまっていないように思える。先にタイムスリップした的場(鹿賀丈史)がなにゆえ世界を破滅に導くような歴史の書き換えをしようとするのか、また的場らの歴史への介入を阻止すべく過去に乗り込む鹿島(江口洋介)が、なぜ命を賭してまで現代社会を守ろうとするのか、彼らの抱えているはずの動機や野望、正義といった部分がうまく伝わってこない憾みが残る。世界の破滅をめぐってせめぎ合う両者であるからこそ、その対立の図式を明確にしないと物語そのものの輪郭が曖昧なものになってしまう。

小難しいことを抜きにして、ただ活劇を楽しむのだというのなら、それもよいだろう。私ならば、人間ドラマと特撮アクションの両立という点で「亡国のイージス」に軍配を揚げたい。かつて見たはずの1979年版「戦国自衛隊」はどうだったのだろう(ほとんど忘れている……)。

「戦国自衛隊1549」公式サイト http://www.sengoku1549.com/pc/

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