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2006.02.26

運命じゃない人

simsonsどこにでも「いい人」というのはいるもので、世界各地の「いい人」はたいてい「人がよく」て、「悪い人」や「普通の人」にうまく利用されることが多い。本人に「いい人」であるとか「人がいい」とかの自覚があるかどうかはこの際問題ではない。そういう枠組み、役割分担のようなものが厳としてとして存在する、そう思うのである。

絵に描いたような「いい人」である宮田武(中村靖日)は、人からの頼みごとは断ることができず、どんなに騙されても疑うことを知らない。その宮田が親友である神田(山中聡)の関わる事件に巻き込まれ、そこにかつてふられた彼女(板谷由夏)やその夜知り合った謎の女性(霧島れいか)などが絡んできて、事態はどんどん複雑なことになっていくのであった。さて宮田の運命やいかに……。

映画は一晩の間の出来事を描く。それぞれの人物から事態がどう見えているのかを示すために、時間軸を行きつ戻りつしながら同じ場面が何度もトレースされる。ある人物からは見えない事態(=真実)が、別の人物からははっきりと見えるおもしろさがある。観客は神の視点からすべての作中人物にとっての現実を眺め、それを脳内で取りまとめていく。公式サイトにある「まるでパズルのピースがどんどんはまっていくようなカタルシスをもたらす」というのは、いいえて妙である。一つずつ謎が解けていく気持ちよさがなんともよい。

単なるドタバタ劇に終わっていないのは、緩いと見せかけ、その実、緻密に構成された物語になっているからであろう。思わず知らず引き込まれた。監督はこれが劇場用長編デビュー作となる内田けんじである。

公式サイト http://www.pia.co.jp/pff/unmei/

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