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2006.02.22

シムソンズ

simsonsトリノの騒動も残すところあとわずかとなってきた。選手一人一人の、あの場所に立つまでの人生(賭けたもの、得たもの、捨てたもの)を思うと、どんな結果であってもいいじゃないかと思う。商業主義とか政治的な胡散臭さとか、ひとまずおくことにして。

大会が始まる前から一部のメダル候補、花形選手に注目が集まる中、競技が始まってからがぜん注目を集めたものがある(そう見えた)。カーリングである。やみくもな身体能力やとんでもないと思わされるような高度な技とは無縁そうなのどかな競技(思い切り偏見入ってます)。隣近所のおばさんやお姉さんが「ちょっとね」という感じでやっているように見えるのが実にほほえましい。試合開始前の「○○さん、見てる〜」なんて笑いながら手を振る姿など、まさに普段着スポーツそのものだ。実際にはセンチ単位でストーンをコントロールする繊細な技術や長時間氷上で戦い抜くだけの体力、気力がなければならず、厳しい訓練があってこそのものであるのは承知しているつもりである。しかし、試合をする日本代表の姿を見ていると、よくことばとして発せられる「競技を楽しみたい」を誰よりも体現していると思われるのである。だからこそ見ていて清々しさを感じることができるのだろう。

「シムソンズ」はトリノの代表選手である小野寺・林の両選手がかつて結成していた実在のチームをモデルにして制作された。シムソンズのオリジナルメンバーは揃って前回のソルトレークシティー大会の日本代表として出場したが、映画ではチーム結成から五輪の舞台に立つところまでを描く。物語の結構は「がんばっていきまっしょい」「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」といった一連のアルタミラピクチャーズ作品群と同じ系譜に連なる。すなわち主人公達がなんとなく始めたまたは嫌々やらされているうちに、いつのまにかそれに夢中になり、ある時点から完全に本気モードになってしまうというものである。北海道常呂町(ホタテとタマネギとカーリングの町!)の美しい風景を舞台にして、若い女優達(加藤ローザ・藤井美菜・高浜真唯・星井七瀬)はカーリングに深く填り込んでいくメンバーを元気いっぱい好演している。くたびれた親父コーチ兼ホタテ漁師を演じる大泉洋もいい味を出していた。

最初にメダルなんてて書いたものの、小野寺、林選手たちには取らせてあげたかったなと身勝手に思ったりもする。ワーナーマイカルシネマズ茨木で鑑賞。

公式サイト http://www.sim-sons.com
成果メダル以上(asahi.com) http://www2.asahi.com/torino2006/news/TKY200602210462.html
日本カーリング協会 http://www.curling.or.jp/index.html
JOCアスリート紹介 http://www.joc.or.jp/stories/athletemessage/20050127athletemessage.html

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