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2006.04.15

メゾン・ド・ヒミコ

かもめ食堂オダギリジョーが大人気である。CDやDVDなどのセールス情報でよく知られるオリコンの人気ランキングで、男女ともに第1位に選出されたと報じられていた。確かに独特な風貌ながら嫌みがなく、誰からも好感を持たれそうな印象がある。見る人の心に深々とした感動を残すような代表作こそまだないように思われるけれど、いくつか見た出演作では、さまざまな役柄をこなす器用さと巧みさを持っていると感じた。麻生久美子に惹かれて見ていた「時効警察」(テレビ朝日系)でも、コミカルな役をうまく演じていたと思う。また放映中の某カード会社のCMもおもしろい。

そのオダギリが柴咲コウと共演する「メゾン・ド・ヒミコ」をようやく観ることができた。公開時に劇場で観たいと思っていたのだが、東京に移った直後のことでその機会を逃してしまっていた。犬童一心監督の「金髪の草原」や「ジョゼと虎と魚たち」で感じられた、街や人そのものを絡め取ったような空気感が好ましくて、しかも脚本は「ジョゼと虎と魚たち」に続いて渡辺あやが担当している。俳優以前に物語そのもの映画そのものに大いに関心があったのだった。

正直に言えば、柴咲コウは好きな俳優ではない。しかし、この映画ではずいぶんその印象が改められた。失踪していた父の恋人(オダギリ)が突然現れ、その父(田中泯)が経営するゲイ専門の老人ホームを手伝わないかという。父の存在を否定していたのにも関わらず、やがて父の考えていたことを理解し、そこに集う人々に心を開いていく。そういう静かだけれど確実に流れていく感情をするりと表現している。上手いと思った。そしてオダギリの存在感も確固たるものとしてそこにあった。物語自体はややドタバタ劇的なところもありはするものの、犬童一流の静謐な世界観は損なわれることなく健在である。

「人を信じられるのはいいなぁ」などと似合わないことを考えながら、しみじみと目頭を熱くしていたのであった。音楽は細野晴臣。決して派手ではなく、物語にぴたりと寄り添うかのようなさざめく音の流れが心地好かった。さて同じ犬童監督の「タッチ」(長澤まさみ主演)はどうなんだろうか。

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コメント

>4
露わにということはもちろんありませんでした。エロ君との絡みで思わせぶりにドアップに……(以下自主規制)。

投稿: morio | 2006.04.17 23:03

西島君のエロ役を観たのは、実は初めてです。謎のコンビニ店員とか、静かなナレーションとか、元ゲイのサラリーマンくらいしか観た事無かったのです。そうか、そうなのか。

胸には全く気がつきませんでした。そんなに出てた???(更にボケ濃度高めるつもりはないのだ、本気だもん)

投稿: 4 | 2006.04.17 09:44

>オダギリジョーのお尻
ここで私が「柴咲コウの胸ばかり云々」などと書くと、ともにボケ役となってツッコミ役がいなくなるのでやめておくことにします。西島は「さよならみどりちゃん」や「犬猫」などでも単なるエロいおっさんを演じてますな。そういうイメージができあがっているかも。「SHINOBI」はauダウンローズのボーカルが苦手なのでパスします:-P。

投稿: morio | 2006.04.17 02:27

DVDでも同時にSHINOBI(だったけ?)が出ていますが、この映画があればあっちはどうでもいいかなぁ...という満足度です。オダギリジョーのお尻ばかり見ていたのは内緒ですが。
柴崎コウの役まわりが「ブス」でしたが、本当に3枚目で売っている女優だったらどうだったのだろうと、よく考えてしまうのは、よい演技だったからなのかな、と思ってみたりしています。
(同じ犬童監督作品のワニのジェイクでは「あたしって、ホラ、綺麗だし両親は金持ちだし」と平気で言うカリスマモデル役で彼女が出ています)
西島君のエロ専務役も良かったなぁ。

投稿: 4 | 2006.04.16 14:07

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1976年2月16日生まれ。本名は小田切 譲(おだぎり じょう)鈍牛倶楽部所属の俳優。岡山県津山市出身。血液型はO型。身長176cm。独特の雰囲気で若者からも多くの支持を集めている。最近では映画等でも頻繁に活躍している。... [続きを読む]

受信: 2006.04.17 15:21

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