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2006.06.22

センセイの仕事場 1

センセイの書斎手に入れた本はどんなに酷いものでも捨てたり売ったりできない質で、そうなると必然的に家の中が本であふれかえることになる。同業者に比べるとかなり少ない方だと思うのだけれど、それでも分散して収めている三カ所(大阪陋宅・東京寓居・東京職場)の書架は、どれも大きな地震の時にはじゅうぶん危険な存在になりうるであろう。自ら招いたこととはいえ、笑えない話である。

本をどう集め、どう読み、どう管理するかというのは、職業上の必然もさることながら、修養と趣味が大きく関わってくると思われる。それが明確な形になって現れるのが「書斎」であろう。私は他人の書棚や書斎を見せてもらうのが好きで、といってもそんな機会はあまりなく、たまさか発売される書斎本などを買ってはひそやかに「お宅訪問」を楽しむのがもっぱらである。

内澤旬子『センセイの書斎』(幻戯書房、2006年6月)は、「三省堂ぶっくれっと」や「季刊・本とコンピュータ」などに連載されていたイラストによる書斎ルポが一書にまとめられたものである。作家や学者をはじめ、翻訳家、評論家、芸術家、さらには古書店や図書館まで、31の「書斎」が幅広く紹介されている。写真はいっさいなく、すべて手書きによる細密画のようなイラストが、それぞれの書斎の主の思いや考え方を味わい深く伝えてくれる。

整然とした巨大書庫にため息をつくもよし、ゴミ捨て場のようなカオスに安心するもよし。知の生み出される場所は千差万別、一つとして同じものがないところは、まさに書斎が「脳を写す鏡」であるまぎれもない証しであろう。

登場する「書斎」

林望(書誌学者)、南伸坊(イラストライター)、森まゆみ(作家)、柳瀬尚紀(翻訳家)、養老孟司(解剖学者)、逢坂剛(作家)、米原万里(翻訳家)、石井桃子(児童文学者)、佐高信(評論家)、金田一春彦(国語学者)、品田雄吉(映画評論家)、千野栄一(チェコ文学者)、石山修武(建築家)、上野千鶴子(社会学者)、杉浦康平(デザイナー)、静嘉堂文庫、書肆アクセス ほか

http://www.genkishobou.com/

内澤旬子さんにはこんなおもしろい記事「アジアのトイレ」もあり。
http://www.asiawave.co.jp/TOIRE4.htm

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