« センセイの仕事場 2 | トップページ | 吉田(電|観覧)車 »

2006.07.01

火火

火火田中裕子の出演する殺虫剤のCMがおもしろくていけない。変な歌を唄いながらスキップし、「もうどうでもええねん」と自虐的につぶやいたり、薬剤が消える防虫剤のCMで「私が消えたらどないすんのん」と切り返してみたりする。前任者の沢口靖子のものも笑わせてもらったが、平素のイメージとのギャップが大きい田中のそれは、衝撃度がさらに大きい。芸達者であり、プロ根性を強く感じさせる。

その田中が、骨髄バンクの立上げに尽力した陶芸家、神山清子を演じる映画が「火火」である。神山は極貧の中、女手一つで子育てをしながら、陶芸家として筆舌に尽くしがたい苦労を重ねていく。やがて夢であった自然釉を成功させるものの、今度は息子が白血病に冒される。息子を救うためには骨髄移植しか方法はなく、そのためのバンク設立に力を尽くしていく。

「愛を焼き込む」というコピーは神山の生き方を象徴的に表す。自然釉を成功させるために一心不乱に仕事に取り組み、その背中で二人の子供たちに人としてあるべき姿を教えていく。映画は神山の取る厳しい行為のどれもが深い「愛」によって裏打ちされていることを知らしめる。田中の重厚な存在感と演技力は、そのことをよく訴えかけてきた。ただ実話をもとにしているとはいえ、ドキュメンタリーではない。ために人物のわかりやすい類型化や涙を呼び込む映画的演出の見えるところはやや気になった。とはいえそれらは些事である。総じてきまじめな映画であるといえよう。「もうどうでもええねん」という映画ではない。

「火火」公式サイト http://www.vap.co.jp/hibi/
骨髄移植推進財団(骨髄バンク) http://www.jmdp.or.jp/

|

« センセイの仕事場 2 | トップページ | 吉田(電|観覧)車 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11234/10741865

この記事へのトラックバック一覧です: 火火:

« センセイの仕事場 2 | トップページ | 吉田(電|観覧)車 »